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ある話し

作者: イナリ

「ふーん…、それで君はあの時どうしたんだい?」


また先輩がよく分からないことを聞いてきた。


「あぁ、彼女に浮気された時のことだよ」



先輩よ地味に傷口をえぐるのは止めていただきたい。


「あの時はとっても怒りましたよ。いま、考えると自分でもビックリな程にですね」


「けど、結局は許してしまったのだろ?君も甘いなぁ」


「許したつもりはいっさいありませんよ。時々あの時の事を考えてイライラしちゃいますから」

「まあ、それも今ではどうでもいいですよ。あの娘とは一昨日別れましたから…」


「それは残念だったな」



先輩は心にも思ってないことを言ってきた。


「ニヤニヤしながらそんなことを言うなんて最悪ですね」


「親愛なる先輩にそんなことを言うなんていい度胸だな」


親愛なる先輩って何を言ってるんだこの人は


「あ、そんなことよりも先輩」


「ん?なんだい??」


「まだ作業は終わらないのですか??」


「あー、もう少し待ってくれ。むしろ手伝ってくれるとありがたい」


「…オレも昨日手伝ってと言いましたが先輩は自分の作業は自分でやるものだと言ってましたよね」


先輩は無言になった。


「…。」


「…。」


何だろう、この沈黙は…


「あのー、先輩何時になったら終わります?」


「残念ながらまだまだ掛かりそうだ」


「先に帰ってもよろしいでしょうか??」


「後輩が先輩よりも先に帰るのは失礼だと思わないか?思うだろう、そうだろう!」


「他の後輩は全員帰りましたが」


「…。」


また無言か…。


「はぁ、オレも手伝うんでさっさと終わらせますよ」


「…すまない」


先輩が感謝の言葉を言うなんて雪でも降るかもしれんな


「失礼なことを考えてないよな??」


「もちろんですよ、先輩」


「まあ、君の青春はこれからだよ」


「何の話ですか?先輩」


「君の恋愛の話だよ」


「確かにまた、青春がくるといいなぁ…」




しみじみと思うある秋の1日

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