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三匹か……囲まれた! まずいな!
目の前のロックイーターたちが、低い唸り声を上げる。
「グルルル……」
一匹が突進してくる! ショートソードで受け止めようとするが――ガギンッ!
剣が弾かれた。くそっ、硬すぎる! これではダメだ。
別のやつが横から噛みついてくる!
「危ねぇ!」
咄嗟に飛び退く。さっきまで俺がいた場所の岩が砕け散った。危なかった……!
(動き自体は……コピー!)
《[ロックイーターの移動パターン]をコピーしました。クリップボード容量:7 / 10》
(よし、これなら動きは読める。だが、どうやってダメージを与える?)
石ころを複数ペーストして投げつけてみるが、硬い甲羅に弾かれるか、頭を引っ込めて防御される。これも効果なしか。
どうする? 剣も石もダメなら……。
待てよ、さっき放り投げたピッケル。あれなら、あの硬い甲羅を砕けるんじゃないか? やってみる価値はある!
意識を集中する。
(コピー!)
《[ピッケル]をコピーしました。クリップボード容量:8 / 10》
よし!
ロックイーターたちの頭上に狙いを定める。
(ペースト、3つ!)
MPを消費し、ロックイーターたちの頭上にピッケルが3本出現し、そのまま落下する!
ガンッ! ゴンッ!
鈍い音が響き、数匹の甲羅にヒビが入った!
「ギャッ!?」
ロックイーターたちが怯む。
「よし、効いた! これだ!」
手元にも生成しておいたピッケルを掴み、甲羅にヒビが入ったやつに叩きつける!
「くらえっ!」
ガッ! バキッ!
「よし、甲羅が砕けた! とどめだ!」
ショートソードを突き立て、一匹目を仕留める!
あと二匹!
ピッケル生成とショートソードのコンボで攻める! さらに――。
(足止め!)
クリップボードから[瓦礫]を選択し、敵の足元に複数ペーストする!
突然現れた瓦礫に足を取られ、ロックイーターたちの動きが鈍った。
(よし、あと一匹……! でもMPがかなり減ってきた……! 速攻で決める!)
最後の力を振り絞り、残った一匹の砕けた甲羅に剣をねじ込む!
「……ッ!」
ロックイーターが動きを止める。
「はぁ……はぁ……っ……き、つかった……やった……」
その場にへたり込み、荒い息を繰り返す。
少し休んでから、ロックイーターの死骸を確認する。
この甲羅、やっぱり硬いな……何かに使えるか? この顎も鋭いし……一応、持っていくか。
使えそうな甲羅の破片と顎をいくつか回収し、リュックに詰める。
さて、と……邪魔者はいなくなったし、本命の魔鉱石を……。
壁に向き合い、ピッケルで慎重に掘り進める。
「あった! キラキラしてる……綺麗だな……」
手のひらサイズの、青白い光を放つ鉱石をいくつか掘り出す。
よし、これだけあれば依頼のサンプルとしては十分だろう。
ここで、試してみたかったことを実行する。
この鉱石も、コピーできるか? 今の俺のスキルじゃ無理か? いや、試してみよう。
(コピー!)
《[魔鉱石(低品質)]をコピーしました。クリップボード容量:9 / 10》
低品質、か。
なるほど、オリジナルそのままとはいかないらしい。対象物の複雑さなんかも関係しているのかもしれない。
次に、ペーストを試みる。
(ペースト!)
消費MPがかなりデカいな……。
目の前に、元の鉱石より一回り小さく、輝きも弱い鉱石が出現した。
やはり質は落ちるか。これじゃあ、あんまり意味がないかもしれない。
いや、待てよ?
低品質でも、数が集まれば何かに使えるかもしれない。それに、もっとこのスキルを使いこなせるようになれば、より高品質なものもコピーできる可能性は……?
これは今後の課題だな。
ふと、坑道の奥から、さらに冷たく、淀んだ空気が流れてくるのを感じた。
さて、依頼の鉱石は手に入れた。残りは地図作成だが……。
MPゲージを確認する。残りわずかだ。松明の火も心もとない。
それに、奥からなんか嫌な感じがする。深入りは危険だ。
「よし、無理は禁物だ。Eランク初仕事としては上出来だろう。今回はここまでにして、帰ろう」
俺は採取した魔鉱石サンプルとロックイーターの素材を慎重にリュックにしまい込んだ。
落とさないように、と。さあ、帰るぞ。
残り少ない松明の炎を頼りに、今来た道を引き返し始めた。
早く地上に戻りたい……。




