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第84話 いや、無理ですが


 師匠は今だに私に名前を教えてくれない。


 最初に会ったのは長老の紹介で天族で1番狩りが上手いと説明されただけで、その時も名前は呼ばれていなかった。

 

 「師匠。」

 「どうした?」

 「いつになったら師匠の名前を呼べますか。」

 「!…そうだな、もう少し強くなったらかな。」


 そう言って師匠はニッコリと笑った。



ーーー


 はいっ、シリアス風味はここまでにして気球の説明に戻るよ!

 何故カメレオンの皮を使用したのかというと、そんな大きな気球が飛んでたら目立つからに決まってるよね、昔から種族狩りとか飛行系のモンスターに。

 なので偽装して荷運びに使ってたそうだ、今もたまにしか使ってないから貸してくれるそうな。


 動かす方法はリアルと基本同じだが、この世界には風魔法があるのでそれを使って移動する。

 目指す場所は先ほど師匠に教えられた狩場の近くで、風魔法を使いながら慣れない移動をする羽目に。

 これなら魔法も鍛えられると師匠はご満悦だったよ。

 私の周りには脳筋しかいないのだろうか?


 狩場についた後もスパルタ教育をされる、相手にするのがビッグベアー=象サイズのクマモンスターとか凶悪な顔をしたパンダ=何故こんな場所にパンダ?とかヒドくない?火力ないんだってば。

 流石のプリンも首刈り出来なくてイライラしてるし、コハクも飛べる様になったけど大型にダメージを与えるのは厳しい、ユウヒに至っては妖術使っての体当りなんか受け止められた挙句投げ返されるとか、私?チクチク急所攻撃するだけしか出来ませんよ、明らかにレベル差ありすぎるんじゃない?

 師匠は笑いながら見てるだけだし、試しに鑑定してみようかな。


 ビッグベア   レベル90

 ーーー

 ーーー


 猛将パンダ   レベル90

 ーーー

 ーーー


 しっ師匠〜!?

 私達レベル50代なんですが〜っ、なんて所に連れてきてるんですか〜!!

 鑑定レベル差ありすぎてわかんないんですけどっ。


 「あっはっは、すまんすまん流石に早すぎたな。」

 「笑ってる場合じゃないんですけどっ!」


 もはや逃げ回ることしか出来ない私達を見ながら。


 「仕方ない、もう少し緩い所に移動するか。」


 そう言いながらいつの間にか大剣を装備をしてビッグベアとパンダの首を跳ね飛ばした師匠。

 あの?師匠あなた弓と槍が得意なんじゃ?大剣装備出来る腕力はどこから?

 聞きたいことが山程出来てしまったが、きっとこれも答えてはくれないんだろうな。


 はーっとため息をついた後、案内する師匠に着いて行ったのだった。

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