第71話 美味しそうではある
後ろを振り向くとそこには何処かで見た3人組だった。
「あの時ギルドで助けてくれた人ですよね。」
「すぐにお礼を言えなくてすみません。」
「また会えたらお礼をしなきゃと思ってたんだ。」
女魔法使い、男僧侶、男戦士っぽい見た目の中学生くらいの男女3人組で、初めてここの冒険者ギルドに着いたときに不良冒険者達に絡まれるテンプレっぽいイベントをやってて運悪く巻き込まれたんだよ、一緒についてきてたプリンが足を蹴り飛ばして転ばせたんだよね。
イベントによっては乱入出来るヤツとか巻き込まれとかあったりするらしくて、初めて巻き込まれて内心ビックリしたよ。
すぐにギルド職員の人に捕まっていたけど、その間に視線を無視して用事を済ませて去った私を許して欲しい。
流石に3人の対応をしたくなかったんだよ、旅人は中に人いるから気を使うじゃん、これが住人だったらまだ対応はしたかもしれないけどっ。
それが今に響くとは思わなかった、無言の私に不安を感じたのか再度確認されたので取り敢えずそうだけど気にしないでと回答することに。
「やっぱりそうだったんですね、あの時はありがとうございました。」
「どうやって対処したらいいかわかんなくってさ。」
「いい評価になっていいアイテムが手に入れたので、何かお礼が出来ないかと探してたんです。」
キラキラした目で見つめられてかなり困る、かなりピュアな3人みたいだ。
それにしても急にお礼と言われてもどうしよう、少し悩んだけど1つ思いついたのがハガネさんに頼まれた材料の事だった。
試しにこんな材料を持っているか尋ねてみたところ
「えっと、確かこれなら持ってますからどうぞ。」
「こっちは少し持ってる。」
「それはさっき売ってしまって持ってないですけど、何処にいるモンスターかはわかりますよ。」
との回答。
いや、よりによってレアの材料があってそれをタダで渡されるとか困るよって言うか渡していいのソレ。
「確かにレア度は高いんですけど売ると大した値段じゃないヤツで、せっかくレア度が高いのに捨てるのもなーって微妙に困ってたんです。」
本当に困った顔で魔法使いちゃんが言って、残り2人も頷いているので有り難く頂くことにした。
他に持っていた材料はそれなりの金額で買わせて貰ったし、情報も有り難く頂いたのでかなり助かったよ。
取り引きが終わった後別れる前に、3人とフレンド登録をしたよ。
名前がそれぞれアップル、オレンジ、グレープでチーム名がフルーツバスケットだそう。
⋯その説明を魔法使いアップルに聞いた時、戦士オレンジと僧侶グレープの目が死んでいたことを伝え致します。




