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第49話 置いてけぼり


 受付さんに冗談まじりで言ってみたところ、真顔になったから心臓に悪かったよ。

 何でも、有り得る話だったんだよこれが。

 昔の話で、人族の赤子とエルフの赤子が入れ替わっていたり獣族とドワーフの赤子が入れ替わったりといった事件があったらしい。

 犯人はいたずら妖精というモンスターで妖精族のように小さく羽根があり空を飛べたんだとか。

 でも妖精族みたいな可愛い感じではなくゴブリンのような姿で、基本的に住んでいた場所は沼地や廃墟といった荒廃したような場所を住処にしていたらしい。

 事件が発覚した時に沢山討伐された為、個体数は少なくなっているはずとのこと。

 ただ弊害として、妖精族や小人族といった種族に偏見が向かい迫害されてしまったのだとか。

 そんな事があり、今ではいたずら妖精は見つけ次第討伐した方がいいのだが余り見つからないし、見つけたとしても逃げ足が早く取り逃がすことが多いそう。


「タダでさえ見つかり難いモンスターの卵なら、私達の様な人種族に分からないように入れ替えている可能性はあると思います。」


 と言っていた受付さんは冒険者ギルドにも報告するためにギルドから飛び出していっちゃった、私達を置いて。


 「どうしたらいいのコレ。」

 「キュー?」

 「⋯」

 「タヌ〜?」


 顔を見合わせてから、ギルドの奥にいた職員さんに報告すると謝られながら今日の所は帰ることになったよ、改めて来てくれたら情報による報酬が出るだろうとのこと。


 さっきの職員さんに大型の従魔が泊まれる場所を教えてもらったから宿を変えないといけない、今泊まってる所は狭いからね。

 騎獣の件もあるし、やる事増えちゃったからどうしようかな〜。


ーーー


 新たな宿に何事もなく到着し、部屋に入ってから改めて従魔の確認だ。


 名前はユウヒ、オスでかなりおとなしい性格をしているからコハクとは気が合うみたいでお互いに顔を見合せて会話?をしている。

 プリンはバトルが好きみたいだから相性が悪いかと思ったけどそうでもなさそうでこの宿に来るまでの間、騎乗スキルもないのにちゃっかりと背中に乗ったりしている辺り気に入っている様子だ、まあプリンが選んだ卵だったから愛着があるのかも。

 取り敢えず少し休憩したら冒険者ギルドに素材を売ってから外に出てユウヒと一緒にモンスターとバトルしてどんな事が出来るのか見てみないとね。

 

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