第2話 キャラクリ2
私は身体を動かせられるなら気にしない、種族に拘ってもないしから、それなら面白そうなランダムにした。
「わかりました。姿を変えるので、しばらく目を閉じて下さい。」
指示に従い目を閉じた。
今の私の姿は、スキャンされたリアルの私のままである。これから姿が変わることは前回で経験済みだ。
ドキドキしながら待つこと数分後、目を開けるように言われた。
そっと目を開けると、目の前に姿見が用意されていた。
そこに映っていたのは、天使のような翼が生えた私だった。
「おめでとうございます! 貴女は〝種族:天族〟になりました。」
天族とは?
聞いた所、ハイエルフやオールドドワーフなどといった高位に当たる種族らしい、つまりレア種族。
レア種族と言うだけはあり、数が少なく基本的に自分達の集落や縄張りから出てこないらしい。
あれっ、これ私が初期地の村に出てきたら騒がれるのでは?
私、これでもボッチのコミュ症ぞ⋯⋯⋯
内心ひやひやしながら次の工程に進む。
次は細かく容姿の設定を決めることなので、目の色や肌色、髪色や形など細かく時間がかかるからクマさんに協力してもらいながら決めてみた。
出来上がったのは翡翠色の目で、ツリ目だとキツく感じるからややタレ目に、白銀な髪色に長い髪を大きな三つ編みにしたまるで戦乙女みたいな自分でも驚くほど可愛い仕上がりになった。
なお服装は、古代ギリシャっぽいヒラヒラした白い服、靴は革製のサンダルみたいなものになってた。
これは天族の基礎服らしい。他の種族にもあるんだって、細かいねこのゲーム。
次は職業で、メインとサブの2つを決める。
まあ、これは何にするか決めていたので、見習い弓術士と見習いテイマーを選ぶ。
初めは見習いからはじまり、熟練度を上げることでレベルが上がり、初級・中級・上級となるのが基本。
例外がユニークジョブで、確認されているのは上記とは違う方法でレベルが上がるみたいだ。
弓術士はβテスターの時になっていた職業で慣れているため、テイマーは前には選んでいないが、これを選んだ理由は、ボッチでは1人旅がいろんな意味で辛かったからだ。心の癒やしがほしい。
テイマーは最初に一匹ランダムで仲間になってくれるので、初級村に着いたら呼び出してみる。
そして、初期スキル選択
この世界はスキルが沢山あり、剣術や盾術など物理から、魔法や妖術など魔力関係、クリーンや料理の生活など様々ある。
その中から5個初めに選ぶことが出来る。
これには失敗要素がある。
必ず取らないと困るスキルがあるからだ。
それは〝共通言語理解〟だ。
考えてもみてほしい、他所から来た人が急にその世界の言葉が分かるはずもない。
尚且つ、この世界にはいろんな種族がいる。
それぞれにもエルフ語など種族専用があり、それを習得しないと話が出来ない。
β時代もこのスキルをとらず阿鼻叫喚な事態になったが、一部スキルを取っていたプレイヤーのおかげで事なきを得た事件があった。
私?私はその一部ではあったよ。
でもコミュ症で話し掛けられなかったから活躍はしてないよ⋯⋯⋯悲しくないもん。
ちなみに解決方法は自力で覚える事。
この世界はスキルを覚えていなくとも、その動きを続けたり、知識を手に入れ勉強をすればスキルが手に入る。
つまり勉強会が行われたのだ。
ゲームに入ってまで勉強かとか、運営の罠だろコレなど不満が続出したが、素直に勉強した人はすぐに習得していた為、段々と不満の声は聞こえなくなった。
何せこんなクオリティのβテスターに選ばれたのだから早く楽しみたい人が多くいたのだから。
どうしても、説明会は長くなってしまう。