第11話 ある日森の中
やっと人が見つかったよ~、まぁ人って言うか
「たすけてくださいたびびとさん。」
何故か干からびかけていた旅人の人魚だけど。
こんな森にいるとは思わんよ普通。
取り敢えず川から汲んで来た水を掛けてみた、
乾いたスポンジの如く、張りがあるピチピチ姿になったと思ったら、ポンっと音が鳴ると共に尾びれが人の足になった。
もちろん変化した後の衣服は着用していたよ。恐らく人化のスキルにセットで付いてる事故防止の衣服着用のスキルだろう。
「助かりました〜、ありがとうございます!」
髪はセミロング、目の色は青色で統一している
かわいい感じのふんわりした女の子で、服装は革の初心者装備だった。
「えっと私の名前は見た通り、ソラっていうんだけど取り敢えず、何でここで干からびていたのか聞いてもいい?」
このゲームの使用でプレイヤーの頭の上には名前が青色で表示されている。
NPCは名前を教えて貰っていれば名前が、知らない人は職業などが緑色で表示される。
モンスターの場合、ノンアクティブは黄色、アクティブは赤色になる。
わかりやすく言うと赤は襲って来る、黄色は取り敢えず襲ってこないモンスターのこと。
仲間のモンスターはプレイヤーと同じ青色だ。
「はいっもちろん、お話しします。あっ私の名前はシズネです。」
シズネさんの初期地はもちろん海にある人魚の里だったらしい。
レア種族が当たった事に喜んだのは束の間、運動音痴だったシズネさんは人魚の尾びれをなかなか動かすことができず、最近やっと動けるようになったとか。
だがそこに不幸が訪れた。
里の外で戦闘訓練をしていたシズネさんは人化を覚えてた為、一度水上に上がってみたくなり、海面を出た所丁度エモノを狙っていた巨大な鳥に攫われたんだって。
パニックになったシズネさんは鳥を攻撃したみたいだけど、レベルが違い過ぎたのかダメージが入らず、終いには鬱陶しくなったのかこの森の上空で落とされた。
木々がクッション代わりになったおかげで助かったけれど、モンスターに襲われないようにテントを立てて中で休憩していたら。
今度は水不足になり大ピンチ!
でも、リスポーンしたか里に帰られるかもとモンスターに戦いを挑んでリスポーンしたが森の中のままだった。
まあそうだよね、テントで休憩しちゃったからね。
リスポーンがここになるわソレ。
その事に気付いたけれど後の祭り、人化を保つことも出来なくなりリスキル状態に、そして今に至ると。
私よりハードな事してたね、このヒト。




