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09

大声で怒鳴り返すドラキュリアン伯爵、

「いつまで吾輩についてくるのだ、忌々しい」

「どうやって貴様は飛んでいるんだーーーー」

「なにを言っている?吾輩はドラキュラなのだぞ?」

「だーかーら、いい加減に笑えない冗談をやめて降りなさーい」

そう拡声器から声がとぎれとぎれ響く。


なぜかドラキュリアン伯爵の声は拡声器を利用しないでもはっきりと伝わる事に一人が違和感を覚えた。

余りのばかっぽい言動に皆が気づかないが……

これは本物ではないか。

喉がごきゅりとなり、心臓が早くなる。


なぜなら、こうして並飛行しているとあまりの自然さに逆に違和感がする。

現代の発明品に慣れている我々からすれば、あまりにも身一つで静かに滑らかに飛んでいる。

その男の自然さに対しての警戒感だ。


野生の勘ともいうべきもの、または本能だ。


ならば、あの女の子は獲物ではないのか?

さらに喉がゴキュキュっとなる。


ドラキュラが伝染し街中に溢れる事を想像するとパニックに陥りそうになる。


皆気づいていない、どうすればいいんだ。

冬だというのに汗が滲む。


いや、まずアレが本物のドラキュラだと俺が騒ぎ出したときの、その後だ。

きっとヤバい事になるだろう。


俺は正常じゃないと判断されるか、臆病だと笑われるか。

はたまた査定に響き一生交番勤務で終わるか。

冷や汗が背中に伝わる。

喉がさらにゴキュキュキュっとなる。


落ち着け、俺ー。

どっちのがヤバい?なぁ、俺……

そう自問自答する事1分。


「そこの変質者ー、降りなさーい」

そうがなる皆に加わる。


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