表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

03

「このじじい、命拾いしたな」

そうドラキュリアン伯爵は吐き捨てると、ひらりとマントを翻し歩き出す。


今すぐにでも吾輩のこの牙の威力を教えてやりたかったが、こんな不味そうな干からびたじじいの血を吸う気にはとてもなれん。


そんな事よりも、麗しい綺麗な乙女が吾輩を待っているのだ♡

何が悲しくてあんな干物で腹を満たさねばならんことがあろうか。


じいさんは再びインカムで連絡を取る。

「あー、不審人物が逃走しました、どうぞ

ドラキュラのようなコスプレ迄丁寧にしております、どうぞ」


「なんだよ、佐伯さん、なんで捕まえとかないんですか、そんなめんどくさそうな不審者」


「何だねぇ、年を取るとこう中年の哀愁が分かって無体な事ができんようになるんよ、どうぞ」


「あんた、俺らに雑用を押し付けたいだけだろ」


そんな捕獲計画が持ち上がっていることとは露とも知らず、ドラキュリアン伯爵はうっきうきと地上3センチを浮きながら進んでいる。


「う、うおぉおおおおお、目が、目がぁあああああ」

そうマントで顔を再び隠し、顔がとけてないことを確認すると、おろるおそる発光源を見る。


「なんだ、黄色く蛇の目玉のような色をしたデカい月だ」

「驚かせおって!」


そう言って空へ窓から外へ足をかけてふわりと舞い上がり、月に向かって文句を言いに行こうとする……はずだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ