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目覚め

新作です。


ストックはありませんので、なるべく早く更新出来る様に頑張ります。

今回はとりあえずプロローグ的な。


『王様は今日も考える』も良ければご覧ください。

どちらも不定期更新です。


『勇者と魔王はかくも哀しき』、こちらは

少し時間を頂きますが、読みやすさを重視してリメイク予定です。

話の大筋は変わりませんので、途中までで良ければそちらも是非っ!






 いつかーーーいつか、君との約束を果たすよ。










 暗い洞窟の中で、男は目を覚ました。元は遺跡でもあったのだろうか、寝ぼけ眼を擦ると視界に壁面の不可解な紋様が入ってくる。


 頬を拭った男の手の甲には、水滴が付いていた。それをぼうっと眺めていると再度、柔らかな衝撃と共に冷たい感触があった。


 どうやら天井から染み出した水が落ちてきたようだ。


 男は身体を起こし、腕を軽く振る。どのくらいの間、男はここにいたのであろうか。

 周囲には男以外に何もおらず、まるで現実ではないかのようだ。

 壁についた魔導灯の明かりが、男のそんな思考を嘲笑っているかのようにゆらゆらと揺れている。


 身体の動きを確かめる男の動きは何故かぎこちなく、もう随分と身体を動かしていないかのようであった。


 ふと、男は己が横たわっていた場所の脇に、膨らみがあることに気が付いた。


 無言で膨らみを眺めていた男であったが、やがて思い出したというように、両の手を打ち付けながらしゃがみ込んだ。

 手のひらで触れ、膨らみを覆う土を払っていく。

 しばらくすると、男の手が何かに触れた。


 指先で感触を確かめると、男はまだ残っている周りの土の上から膨らみを握り込み、強く引っ張った。


 ボロボロと剥がれ落ちる土塊の中から現れたのは、一振りの剣であった。

 鞘には細やかな装飾の跡が見て取れるが、浮いた錆が溝を埋め、変色も起きていて元がどのような見た目であったのか判別がつかないほど、その状態は悪い。



 男はしばらくの間、懐かしむように剣を眺めていた。そして優しく剣の表面をなぞっていく。

 すると、不思議なことが起きた。男がなぞった指先から剣が輝き、表面を全てなぞる頃には、剣は作られたばかりと言っても差し支えないほどの輝きをその身に宿していた。


 

 男は鞘に収まったその剣をニ、三軽く上下に振り、満足気に頷いた。

 腰にそれを差し込み具合を確かめる。

 そして男は、機嫌が良さそうに手のひらでポンと鞘を叩くと、辺りを見渡した。


 入り口と呼べる通路は一つしかない。

 男はしっかりとした足取りで通路へと歩いていく。



 男が通路の向こうへと消えていき、あたりは静寂に包まれた。 

 魔導灯の灯だけが、変わらずに揺れていた。



なるべく定期的に更新出来ればと思います。


宜しくお願い致します!!

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