第1話 水鏡から見えるモノ達へ
令和2年4月10日(金)晴
読者の皆様、初めまして。僕の名前は、鬼灯と申します。この度、皆さんと感情の共有をしたく思いまして、日記を書く運びとなりました。僕は、マンガやアニメを普段よく見ます。あなたは、どんな作品が好きですか?僕は、ミステリーも結構読みます。宮部みゆきさんや、上橋菜穂子さん、小野不由美さんの小説作品を読みますよ?モンハンとかのゲームもよくします。
このサイトに出会ったことがいけなかったのだろうか。だがしかし、自分のことを話せて、なおかつ読者の方と通じ合える機能がついた「なろう」の世界が、僕にはキラキラして見えたんだ。
ねえ、気付いて?僕の日記を読んでくれた読者様。あなた達かつまらないと思っているかもしれない、あなたの住む世界はね、僕からしたらキラキラして見えると言う事に。
「主さま、主さま。これをお持ち下さい。」
真白の子に、漆塗りの黒くて艶やかな丸い手鑑を渡された。
「真白やあ、どうしていつもこれを僕に持たせるんだい?これはね、外の世界の子らを見るものなんだ。自分の姿が見えない鏡なんて、鏡じゃないんだろう?本にはいつも鏡で自分の容姿を整えるとあるもの。こんなのあったってさあ、切ないだけじゃん。」
僕は、生まれてこの方、鏡で一度も自分の姿を見たことがない。真白の子達は、僕が大好きだ。だから、僕の欲しい物を我先にくれようとしていることは分かる。分かるのだが。
(見えてしまうからこそ、辛くなる心があることを、きっとこの愛しい子達は分からないんだろうなあ。)
読者の皆様。最初から騙すようでごめんなさい。僕は、実はあなた達の住む此岸の人ではありません。僕は、赤子の時に真白の子たちに見初められ、神代の世界へと「隠された」子なのです。
故に僕は思う。人とは何だろう、と。
そしてこうも思う。僕は人だろうか、と。