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第49話 自覚した次の日の朝

少し頭がぼーっとしながら描いたので、何かおかしいところがあったら指摘お願いします。



 どうも、夏休み明けの高校の始業式と授業が終わってルンルン気分でコンビニで姉用のアイスとスイーツを購入した後に家に帰ってきた阿久津来人だよ。これまではGの件もあり罪悪感と義務感でコンビニに行く毎日だったけど、今日に限っては違う。


 そう、風花さんへの気持ちに気付けたのだからぁ(ぱぁぁっ!)!


 これには僕の中の僕含め全僕がにっこりだよ。うん、テンション爆上がり中で何を言ってるのか良くわからないと思うけど僕も何を言ってるのか良くわからない。とにかく嬉しいということ。

 つまりはそういうことさ!


 始業式だったせいで生徒会の事務作業やらなんやで帰ってくるのが遅かった姉だったけど、僕は初めて玄関でお出迎えというものをしてみたよ。ポジティブキャンペーン実施中なのでラノベのヒロインっぽく『先にアイスにする? スイーツ? それともぉ……ら、い、と?』って言ってみたらガチ目に心配そうな表情と優しい声で『来人……姉さんと一緒に病院に行こう』とか言われちゃったよ。てへっ。


 相当僕が頭にキていると考えたらしい。だけど僕は丁寧にお断りしてアイスとスイーツを差し出した。瞳の奥に憐憫さが垣間見えた気がしたけど気にしないぜー。はっはー!





「………っ」



 次の日。三時限目の授業終了後の休憩時間中、僕は教室の机の表面にぐだぁーっと頬を付けて座りながら苦悶に満ちた表情を浮かべていた。夜、自宅で課題を速攻で終わらせてラノベを読もうとベッドにダイブ、そしてテンション爆上がりモード中だった僕は、エビのようにビチビチ跳ねていたら腰をヤッてしまったからだ。


 あの運命的な(ぴくりとした)衝撃を、僕は生涯忘れないだろう……っ!


 すぐに動けずにしばらく悶えた僕は変な行動をとったことをすぐに反省した。……いやまぁ仕方ないじゃん? この身体の内に秘めたるリビドーが爆発しそうだったんだからさ。


 幸い(?)にも案外ダメージは少なく、なんとか母親(腰痛持ち)の湿布を求めに若干慌てながらリビングへ行こうすると、更なる不運が僕に襲い掛かる。


 自室の扉を開けると同時に右足を踏み出してしまった僕、そこから何が起こるのかというと―――、



「足の小指、扉の角にぶつけちゃったんだよねぇ……っ。超いったぁ……!」



 そう、痛い目を見るラノベ主人公的な怒涛(僕にとって)の展開だった。まるで食パンを加えた女の子(扉)が男子高校生(の足)とごっつんこして運命的な出会い(鈍い痛み)になったみたいな……っ! ま、まぁ風花さんへの気持ちに気付いて浮かれていた僕にとって、これは神様からの罰という解釈でオーケーかな? まさに泣きっ面に蜂だね。ちくしょう……っ!


 その痛みと考えごとにより若干寝不足で気分は憂鬱。でも朝の通学時では、風花さんは挨拶してくるや否やいつものペースで歩いていなかった僕に何があったのかを訊ねてきたんだ。

 当然の如く腰の痛みの原因である僕の痴態(ちたい)など言えるわけも無く、そこは咄嗟に寝違えったことと、あとは素直に扉の角にぶつけたことを話したよ。


 そしたら彼女はすぐさま心配そうな表情を浮かべながら天使の如く気遣いを発揮。『ちゃんと湿布貼ったぁ?』とか『病院に行かなくても大丈夫ぅ?』とか『もし動くのが辛かったらぁ、肩貸してあげるから遠慮なく言ってぇ?』とかね。……たぶん風花さん、異性に触る練習のこと関係なく純粋に心配な気持ちでそう言ってきたんだよねぇ。


 大丈夫だということや、僕と一緒だと遅れるかもしれないから先に行っててということを伝えても、適当な相槌(あいづち)を打ちながら僕の歩幅に合わせて歩いてくれたし。


 ………………。


 やばい、思い出したら風花さんの思い遣りがもう天元突破しててもうやばい。にやけそう。死ぬ。昇天する。尊い。もう語彙力崩壊……っ!


 隣の風花さんにばれないように窓側の方を向いて赤面していると、隣から話し掛けられる。言わずもがな、聞いていると安心するゆったりおっとり口調の風花さんである。

 

 でもね、今は駄目だよ……! 朝のこと思い出しちゃって顔真っ赤だし心の準備が出来てない……! 



「ら、来人くん、本当に大丈夫ぅ……? もし痛みが酷いようならぁ、保健室に行くか何かクッションでも借りてくるぅ?」

「あー、あははー。いやぁ、そこまで痛い訳じゃないから大丈夫だよ風花さん。ただ一時限目生物、二時限目選択授業っていう感じで移動教室が連続したよね? だから今少しでも動くだけで正直すこーしだけきついかなぁっていう具合だよ。ははっ、大丈夫大丈夫」

「それ全然大丈夫じゃない人が言う言葉だよぉ!?」



 いや本当に大丈夫なんだ風花さん。これ実は風花さんに僕の赤くなった顔を見られたくない為の方便だからさ。……よし、そろそろ大丈夫かな。


 僕はその出来るだけ楽な体勢を維持したまま軽く息を吐くと、顔だけ風花さんへと向ける。すると驚くことに風花さんは真顔だった。僕を、真剣な瞳で見つめている。

 そして、口を開いた。



「来人くん―――まずは保健室に行こぉ」

「……えっ? いや、だいじょう……」

「前に言ったよねぇ? "ちゃんと痛い時は素直に痛いって言わないとぉ"ってぇ。授業も大事だけどぉ、身体の痛みの訴えに比べたらどっちを優先させれば良いのかは頭の良い来人くんなら当然(・・)分かるよねぇ? 朝は来人くんの意思を尊重したけどぉ、痛みが酷くなってきたんだったら話は別ぅ。さぁ、保健室に行こう?」

「はい、わかりました………」



 この時の風花さんは言い知れぬ迫力があった。結局風花さんに腰を支えて貰って保健室へと直行ドナドナ

 まぁ正直に言うと、座っているよりもベッドに横に寝そべる体勢の方が非常に楽なので風花さんの提案はありがたかった。


 じゃあなんで無理して学校に来て授業を受けたかだって? 単位の為に決まっているだろうがぁ……っ(くわっ)!!




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