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記憶の果て〜俺は謎の少女に能力を貰った〜  作者: 郁嶋稚早
1章 名もなき小さな村
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オリヴィオンの成長とヘープの過去 ヘープ視点

今日2話目の投稿です。

 僕は13歳になった。


 そう、僕の誕生日まで後3ヶ月。


 村長にはまだ一度も勝てたことがない。だんだんと焦りが出てきた。










 この3年僕はそれなりに頑張った。


 魔法を使うのは結構楽しかったし(村長に会うのは嫌だったけど)、それよりヴィーが一生懸命頑張っている姿を見ていたら、自分も頑張らなくてはいけないと思って頑張った。


 でも、この僕よりもウーボたちよりも頑張ったのはヴィーだと思う。


 ヴィーは本当に努力していた。


 剣の才能はあったのかめきめきと上達して、僕がヴィーよりも4歳上ではなかったらすぐに負けていただろう。まだまだヴィーは身長も低いし僕より力も弱い。けど、もう少し大きくなったらきっと負けてしまうのだ。それほどまでに才能がある。


 何なら、力だけが取り柄のウーボにはかなりの確率で勝てているし、他の2人の取り巻きたちは話にならない。


 けど、魔法の才能が(魔力が少ないせい)ないのは本人はとても気にしていた。ウーボが能力持ちだと知ってさらに気にしているようだった。


 ヴィーは気にしていないそぶりだったが、僕には分かる。



 魔法の訓練は凄まじいものだった。今こそ初級魔法は使えるようになったが、最初の頃なんて何回も倒れては魔法を使い、そしてまた魔法を使って倒れてを繰り返した。それでも、魔法を使わなかった日はなかった。


 なぜ、そこまでして魔法を使いたいのか僕は分からないが僕の魔力をヴィーに出来ることならあげたかった。もちろん、本人にそんなことは言わないけど。


 ヴィーと違い僕は剣が苦手で魔法が得意だった。単純に魔力が多かっただけだが。





 取り敢えず、僕は魔法だけなら村長に勝つことが出来るかもしれない。


 最初は初級魔法しか使えなかったが、今となっては自分のイメージした通りの魔法を使えるようになった。村長やヴィーはそのことを凄いと褒めてくるが僕には良く分からない。


 この3年頑張れたのはヴィーのおかげもあるだろうが、それとは別に他のこともあったのだ。


 14歳を迎え成人する僕が、もし村長に勝てたとしたら十二の継承以外にも僕は聞きたいことがある。それは、僕の父親は誰かと言うことだ。村長は僕の父親を知っている。
















 僕はまだ5歳の時実はこの村の外で暮らしていた。母親は僕を産んで亡くなったそうで育ててくれたのはお爺ちゃんとお婆ちゃんだった。ただ、僕の髪色は他の人と違って黒色だったから染められるように言われた。僕の髪色は茶色になった。


 だけどその平和は長くは続かなかった。


 お爺ちゃんとお婆ちゃんが亡くなってしまったのだ。強盗だった。


 突然のことで僕は状況が分からなかった。悲しいのに何も感じなかった。




 運の悪いことに親戚のいなかった僕は路頭に迷うことになる。家にあるお金も、自分の空腹を我慢してまでも髪を染めるために使った。お爺ちゃんととお婆ちゃんの言いつけを守ったのだ。


 そして、ついにお金は尽きてしまった。このまま死を覚悟していた時に村長が現れたのだ。それが5歳の時だ。


 村長は初めは母の旧友だと言った。僕はお腹が空いていたので村長の言われた通りに従いおばさんに預けられたのだ。


 村長は母のことを知っていた。僕は、本当に旧友なのかも知らない。


 だけど、昔の母を知っていると言うことは僕の父親も知っていると思うのだ。例え知らないとしても何か手がかりはあるはずだ。


 こんなにも父親を探している理由は父親に会ってみたいと言う単純なものではない。


 僕は復讐をしたいのだ。母を捨てた父親を。





 僕を身籠っていた母を置き去りにして逃げた男を。

ヘープの悲しい過去でした。



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