第2歩-旅立つためには-1-
ちゅどおぉぉぉぉおん!
それは、丁度お昼の事だった。
僕達は今、【デイノール】という町にいる。
この町は海に面しているから漁業が盛んで、大きい港町だから旅人が良く来る町なんだ。
僕達は、―というか僕とティルだけだけど。魚がおいしいっていう町に行ってみたくて来たんだ。
そして僕達が魚を口にした時それは起こった。
僕達は音のした方に目をやった。
―しかし―
そこには壁しかなかった。
・・・まぁ。食堂にいるわけだし、当然といえば当然なんだけど・・・。
僕達は食べかけの食事を見て・・・外が騒がしい中、ただ黙々とおいしい魚料理を食べ続けた。
食事を終え、現場に足を踏み入れたその時には、18歳位の男女と、一人の魔道士風のおじさん。それに野次馬達がいた。さっきからしていた音は、おじさんの魔法だろう。ところどころに、焦げた後やら凍った後やらあるから。
僕は状況確認をして、
「じゃれあって楽しそー」
と言ったら、ライ君とティルが僕を蹴り飛ばして、
『何処をどー見たらそうなる!』
と怒鳴った。
むぅー。ほんの冗談だったのに。
「冗談だよぅ・・・」
「お前が言ったら冗談に聞こえん!」
「トニー。お願いだからそういう冗談言わないでね❤」
怒り交じりに言う二人の顔は、とても怖かった。
「そこの兄さん達危ないぞ!」
「へ?」
ちゅどーん!
町のおじさんAが叫ぶのと同時に、僕達はまともに魔法の流れ弾に当たった。黒焦げになった僕達。ルック君は召喚獣のニック君に乗って無事だけど。
ていうか。ムカついた。
穏便な僕が、って思うかもしれないけど。仲間以外の人に攻撃されたり、人に危害を加える人。ムカつく。
ティル曰く。僕はキレると性格変わるらしい。
フッとほのかに笑んで。
「氷龍縛」
空中に【氷】と書いて放った一撃は、見事三人を氷塊に閉じ込めた。
「良くやったトニー」
「本当にね」
同じく黒焦げにされ、怒りに満ちたライ君とティルが褒め称えた。
「それほどでも」