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短いです。
「―さて。これからどうする?トニーが魔法か龍術で道作るのが、妥当だと思うが」
・・・・・・
「そうね。私もそれが良いと思うわ。トニーお願・・・い?」
ぐうーーーぐうーーー。
『ねえるうなあああ (怒)!』
どかっ!ばかっ!
「―~っっい~た~い~(泣)」
しくしく。お昼食べて、お昼寝しただけなのに。いきなり殴るんだもん。僕はビックリして、死ぬかと思ったよ。
僕は一呼吸して。
「何で殴ったの?」
聞いたケド。ティルもライ君も、何も言ってくれなかった(泣)。
二人を見ると、暗い顔して、溜息吐いてる。
んーと、えーと、つまり・・・。怒る気がしなくなった。のかな?
一生懸命考えてると、
「と、とにかく。魔法か龍術、で、道、作って、くれる・・・?」
ティルが力の無い声で言った。
全身、脱力してるけど・・・なんでだろ。
「?うん」
とにかく僕は、空中に【地】という字を書いた。
「地龍道化波」
ブゥンというぶれる様な音と共に、壁に道ができた。
「なるほど」
道が出来るさまを見て、ティルが口を開いた。
「どうやら、ここは魔法磁力の乱れで変化を繰り返す、迷いの洞窟と化している様ね」
「それって、ここに入り込んだ魔物の所為って事?」
「その可能性が高いわ、トニー。天然って事もありえるけど」
磁力を乱すほどの魔物・・・。
「は、早く出よう!」
慌てて出来た道を歩く。皆も僕に続こうとしたその時。
ごごごごごごごごごごごごごごごごごご。って洞窟が音を出して揺れ始めた。
磁力の乱れで出来た壁に、別の力で無理矢理穴を開けた所為で、魔力が暴走して、洞窟が崩れ始めたらしい。
「早く出よう!」
崩れ落ちる石や岩を避けながら、僕達は走った。
走って、走って、走って。
・・・けど。入口の光が、見える事無く、僕達は・・・・・・・・・。