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旅への手順  作者: 蒼穹月
12/22

-8-

『ぶっ!』


『どわぁっはっはっはっは!ひぃぃぃぃはっはっは!あはははははは!ぎゃへひー!ひょほへはほあははは!』


ほんっと、変な顔―!苦しすぎて話が出来ないー!お腹が捩れ死んじゃうー!

大きくって丸い赤っ鼻!

睫毛ビシビシ、眉毛ぶさぶさ!

たらこ唇!なるとホッペ!

目の下に、おっきく膨れ上がるほくろ!

しかも三つ星!

もんのすんごぉいデブ!

極め付けに、頭は、頭は!

親父ハゲーーーーーっ!

「ぎゃほぅっはっはははー!ハゲハゲハゲハゲハー!」

「ぐあっはっはっは!駄目だ!笑いがとまんねー!だから、こいつと顔見知りは嫌なんだ!あーっはっはっははー!まいっかい、ははは!腹捩れる思いすんだよ!」

「あは!ふふふふふふ!だ!駄目よ!ふふ!そんな失礼なこと言っちゃぁ!あははははははははははははは!」

「笑うのだって同罪だー!ぎゃははは!」

うーん。人の顔でこんなに笑うのって、久し振りだなぁ。確か4年前にもこんなにも笑ったなぁ。あの時はたまたま立ち寄った国で、サーカスやってて、ピエロが出てきた時だったなぁ・・・。

あ!

「そうか!人を外見だけで笑わせる・・・。

領主さん元ピエロでしょ!」

僕のもっともな指摘に、ライ君とティルは、スッとハリセンを出した。

どこから出したんだろぉ。

て、考えてる間も無く、それで後頭部を思いっきり叩かれた。

『んなわけあるかっ!』

―ねぇ。何でいつも僕を叩くの?

なぁんて言ったら、更に叩かれそうだったから、出かけたのを口の中に押し込んだ。

「ふっふっふ」

急に領主さんが逆光を背にして、含み笑いをした。はっきりいって、相当恐い。

「ティルとライ君くらい・・・」

どずごがん!

「トニー?何か言ったかしら?

ねぇ?この口で、何か、ほざきやがったかしら?」

僕の口を殴った手をそのままグリグリ押し付ける。顔は笑ってるのに、なんだかとっても恐いんだ。

「ふんっ。トニーのくせに生意気な」

僕の背中を蹴り倒した足をそのまま乗せて、グリグリ押し潰す。本当に恐い。顔からしてすんごく怒ってる。

「何すんのぉ?僕何か言ったぁ(号泣)?」

「へぇ~?口に出した事に自覚無しなんて、トニーらしいわねぇ」

だから!その笑顔が恐いよう!

「あのぅ。領主様の目がこっちを凝視してますよー」

恐る恐る、口を挟むリアさん。

とりあえずそっちを見ると、含み笑いを続けてた領主さんが口を大きく開けた。

「その通り!私は元ピエロさあ!」

『ええ!?』

驚愕の発言に、僕以外皆驚く。

ほらあ。やっぱピエロだ。

「って。んな訳あるかー!」

『遅!』

えー。違うのー?

領主さんてば、ノリ突っ込みしただけー?

「こいつやっぱ阿保だ!ノリ突っ込みの上、おせぇ!」

「ていうか、遅すぎよ!」

「失礼とは思いますが本当に遅かった!」

「遅かったわ!」

ライ君、ティル、アークさん、リアさんに口々に言われ真っ赤な顔になる。タコさんだ。

「どやかましい!

ホルテウスんとこの家出倅も!さっさと国に帰らんか!この街を助けてから!」

助けてからなんだ。

「やなこった」

べー。っとおっきく舌を出すライ君。ほんとにおっきい舌。

「何だと!?」

怒り狂う領主さん。

領主さんもカルシウムたんないよ。

「テメェは、相変わらず自業自得なんだよ。

そこが一番ムカつく位嫌気が差す」

「でぇい!

来るたび生意気な事言いおって!小童!」

「テメェも王族に嘗めた口きいてんじゃねえよ。たかだかちっせえ街如きの領主が」

「ぐう!家出人が何を偉そうに!」

なんか、二人だけで喧嘩始めちゃった。

「いつもこうなんですよ」

ライ君と領主さんをボーっと見てたら、領主さんの近くに居た秘書さんが、僕の横に来て耳打ちした。

そんなにしょっちゅう会ってんだぁ。

「て、いうか。何か気になる単語聞いた様な・・・」

「ねぇ?国とか、王族とか」

アークさんとリアさんが、ポカーンとして、言った。

「あ。思い出した」

僕が宙を見ながらボソッと言うと、二人が僕に跳び付いた。また倒れるかと思った。

『何がです!?』

なんだか、二人とも不吉な事を考え付いた顔してる。

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