第1歩-魔物退治-1-
20年くらい前に雑誌に投稿してかすりもしなかった作品ですが、折角書いたのにもったいないのでなろうにのせることにしました。
子供の時に書いたものなので色々めちゃくちゃですが、馬鹿な作品だな~と思って読んでもらえると嬉しいです。
また、ネットで何かするのは初めてなので、「これダメなやつ」があったら優しく教えて欲しいです。
僕達は今、ブツラー大陸の山の麓にある、【ドフィル】という町に来ている。
この町は、おいしい山菜とお肉料理で有名なんだ。しかも、明るくてにぎやからしいんだ。
そう僕も聞いてきた・・・聞いてたんだけど・・・。
この町に着いて、一番最初に口を開いたのはティルだ。
ティルは妖精で、生まれた時から一緒に育った家族。今は一緒に旅をしてる。四人で旅してる中の紅一点。でも妖精だからちっちゃい。普段は僕の横を飛んでるか頭の上に乗ってる。因みに今は、僕の横を飛んでる。
「なんか。暗くない?皆、顔が青ざめてるっていうか」
そうなんだ。この町に来てビックリしたくらいだよ。明るい僕達が馬鹿みたい。あっ。でもルック君はそーでもないか・・・な?
ルック君は無口で冷静だけど、面倒見がよくて実は熱い内面を持ってる。古の召喚し一族の生き残りなんだって。普段は召喚獣を出していないけど。今もやっぱり出してなくて、黙々と僕達の隣を歩いてる。
「あ―、分かったぁ。皆風邪ひいてるんだぁ!」
『絶っ対に違う‼』
僕の推理に全力で否定するティルとライ君。
ぶー。絶対そうだと思ったのにぃ。
ライ君は剣士。僕達みたいな力はないけど、剣術や体術なんかはピカ一で一番素早い。ライ君とルック君は旅の途中で仲間になったんだ。二人は親友でライ君が旅に出る切っ掛けをルック君が作ったんだって聞いた。
「・・・・・そんなふーに言わなくてもいーじゃないぃ(半泣)」
ぞくっ。
なんかもの凄い視線が・・・。鳥肌が立っちゃったよ。
「ひそひそ。」
?町の人達が何か話しているみたいだけど。
⁉さっ、さっきより町の人が増えている気が。―っ違う。気じゃない。本当に増えてるんだ。僕達を囲んで、僕達を見て、小さな声で話してるんだ。僕達のことを‼
「僕達の顔に何か着いてるのかなぁ」
『だから違うっつーの!』
またしてもティルとライ君に全力で否定され、ボカンと一発ずつ殴られてしまった。
「すみませんが、あなた方は旅人ですね?」
殴られて涙を流していると、おじいさんが話しかけてきた。
「え。あ、ハイ。そうデス。」
涙を拭って答えると、
「おお。やはりそうでしたか!」
おじいさんは目を輝かせて、数人の男の人と近づいてきた。
「私は、この町の長老です。実は最近この町の近くにある、【ドフィル】という町の長老が暴れだして困っているのです」
沈痛な面持ちで話す長老さん。
「みゅっ?この町の近くの、【ドフィル】の町の長老さん?【ドフィル】の町の・・・町・・・・長老さん?長老さんが長老さんで、ぇうぅ?」
僕が混乱している隣で、ライ君が、
「貴様じゃねぇかぁ‼」
と叫んだ。
う~ん。やっぱりそうだよねぇ。でも、何で自分で言うんだろう。もしかして、この長老さん・・・かなりボケてて、つい間違ったこと言っちゃったのかなぁ。
「・・・おや。間違えてしまった」
あ。自分で気付いた。やっぱり間違えてたんだぁ。別にボケてる訳じゃないのかな?
長老さんは、悩んでる僕を尻目に話しを始めた。
「本当は、坊さんにある洞窟じゃったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
坊さんにある洞窟って、鼻の穴かなぁ。
と、僕が想像している横で、ライ君が体を震わせ、
「そんな奴がいるかー!!!!!!」
キレてしまった。こうなるとライ君は、人任せなのだ。推し付ける形になるけど(汗)。
「つー訳で。このジジィはトニー、お前が相手しろ」
・・・・・・やっぱり。
トニーっていうのは僕の事。ハイエルフで、見た目はライ君と同じ位だけど実際はもっと生きてる。僕の得意分野は魔法と龍術。エルフなら弓も得意なんだけど、僕はからきしダメでエルフの里の落ちこぼれって言われてる。弓の練習しなかったから仕方ないんだけど。
魔法と龍術の違いは、精霊に力を乞うか龍の力を使うかによるんだ。
僕がライ君の代わりに長老さんの話を聞こうとしたら、男の人の一人が長老さんの前に出て、
「いや、済みません。長老は最近ボケてしまって」
と、済まなそうに言った。
それを聞いた長老さんは、
「こりぁ!ボケとらんぞ。ワシはまだ若いぞ!」
と、腕を振り上げて怒った。
それを尻目に、もう一人男の人が前に出て、
「本当は・・・」
と、何かを言おうとしたけど、長老さんが更に前へ出て、
「町の近くのどーくーつーじゃー!」
と、叫んだ。
ホント大きな声だなぁ。そんな大きな声出さなくても・・・。
長老さん、『ぼけ』って本当のこと言われて、怒っちゃったのかな。顔が真っ赤になって、タコさんみたいだ(笑)。
そんなこんなで、『洞窟には魔物がいて、それを退治してほしい』と、依頼された僕らは、出発する前に薬草や装備を揃える事にした。
僕は《魔道のマント》。ライ君は《剣士の服》。ルック君は《魔性の服》をそれぞれ装備した。ティルは自分に合う服がなくて、なんだか凄く怒ってたけど(笑)。
「じゃあ、案内してもらおうか」
破格の依頼料に、気を良くしたライ君が、長老さんの肩に腕を掛けて言った。
「こちらです」
長老さんは、ライ君の無作法を気にする事無く、案内してくれた。