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ライセンスカードと補助金

文面の修正をしました。


俺とアリサは朝の騒動を忘れる為に、初めて会ったファミレスでコーヒータイムを楽しんでいた。 徳 凛花が置いて行った5千万と言う大金は、手を付けずに空間ボックスで保管している。 あの件は、アリサと話し合って丁重にお断りするつもりだ。


そう言えば、ここで初めてアリサに会った時はビックリしたもんだ。


まさかダンジョンを知る者が女性だなんて思いもしなかった。 まあ、こうして今は凄く頼れるパートナーになってくれているし、結果的には順調に進んでいる。


それと、まだアリサの引越し終わらせてなかったんだよな…… この前少し話に出たのに結局行けずじまいなんだよ。 そろそろ例の車も納車される頃だし、旅行がてら行ってみるか。



「蓮志さぁ〜ん!アリサさぁ〜ん!お待たせしましたっ!」


「おはようございます!アリサさん、蓮志さん!」



俺は聞き覚えのある声に、考え事を中断する。 声の方へと顔を向けると、ニコニコと微笑む可愛らしい2人の女性が視界に入った。



「おはよう!尾崎さん、かおりちゃん。 すまない急に誘ってしまって 」


「いえいえっ!蓮志さんに会えるならいつでも飛んでいきますよっ!ね、美琴! 」


「ふふっ、うん、そうだよね!ちなみに、かおりは電車の中でも蓮志さんの事ばかり話してたんですよっ!ねぇ〜か、お、り? 」



急に顔を赤く染めると、パタパタと恥ずかしそうに顔の前で手を仰ぐかおりちゃんを見てると、俺は思わず笑ってしまった。



「2人はホントに仲が良いんだね。 今朝のモヤモヤが吹き飛んだよ、なぁアリサ?」



アリサに視線を向けると、頬杖をつきながらもプクリと頬を膨らませクリームソーダをチュウチュウと飲んでいた。 ちょ……なんでスネてるんだよ。


俺は軽く咳払いすると、2人をシートへとエスコートして行く。



「コホンッ……え、えーと、今日2人に来てもらったのは、冒険者用のライセンスカードの件なんだけど、2人ともニュースは見たかな?」


「あ、見ました!今週中に冒険者登録が開始されてレベルに応じた補助金が支払われる、でしたっけ? 」



俺は2人に頷いた。 国が新たに作り上げた制度によって、冒険者と言う新たな職業が一夜にして確率されたと言う事だ。


しかも、発表したと同時に国内最大の大企業がこぞって参入した。 この事から考えられるのは、かなり前から国はダンジョンやバケモノを認知しており、既に対策を講じていたと言う事だ。


恐らく特殊異能力部隊 【E′S】3番隊隊長 徳凛花や黒鬼のあの男がそれに当たるのだろう。



「うんうん。これからは大々的にダンジョンを攻略をしていける様になった。 そこで、本題なんだが…… 皆んなでライセンスをブラックカードまで上げようと思っているんだよ」


「ブ、ブラックカードですかっ?!えと……確かブラックカードはレベル26以上でしたよねっ!」



ライセンスカードは等級制が適応されているらしく。


レベル10まではブロンズカード

11〜20まではシルバーカード

21〜25まではゴールドカード

レベル26以上はブラックカード


と言う形になる。


ちなみに現段階では、俺とアリサは最高ランクのブラックカード、尾崎さんとかおりちゃんはレベル20なので、シルバーカードと言う形となる。


更にテレビで報道されていた情報では、補助金制度がある。


ブロンズカードは2万円

シルバーカードは5万円

ゴールドカードは18万円

ブラックカードは30万円


と言う額の補助金を毎月受ける事が出来ると言うものだ。



「うん、レベル26まで上げればブラックカードになる。 補助金が30万まで跳ね上がるからどうせなら活用しないと勿体ないだろ?」


「あはは……確かにそうですけど、私と美琴はまだまだ2人の役に立つ事なんて出来ないですよぉっ〜!」


「ははっ!大丈夫!かおりちゃんにはバフスキル【力の鼓舞】って言う凄いスキルがあるし、尾崎さんは【武具錬成】がある。 俺やアリサには十分すぎるほど助かるスキルなんだよ」



アリサはクリームソーダをチュウチュウしながらも、コクコクと頷いていた。 いや……ちゃんと会話に入りなさいよ……



「わ、私の【武具錬成】って、役にたつんでしょうか……あまり実感がないと言うか……なんと言うか……」


「尾崎さん、少し見ててね!」



俺はそう言いながら、目立たないようにブラッドナイフを空間ボックスから取り出した。

このブラッドナイフはモンスターからドロップする中でも最低ランクに位置する武器だ。


〈レア★☆☆☆〉【ブラッドナイフ】

ブラッドオーガの素材から作られたナイフ


尾崎さんは不思議そうにナイフを見つめている。 俺はテーブルの上にあったフォークへとブラッドナイフを押し当てると、薪を割る要領でテーブルの上へと軽く叩いた。



「え、えっ?!フォークが半分に切れた……」


「うん、例えランクが低い武器でもドロップした武具の性能は市販されているモノより桁違いに良いんだよ。 モンスターの素材を使って作られた武具はこれから、冒険者達のメイン武具として使われて行くと思う」


「す、凄い……私がんばりますっ!!」



俺は尾崎さんの驚いている姿を見て思わず微笑んでしまった。 良かった良かった、でもホント凄い性能だよな。 今販売されている世界一斬れる包丁より絶対に性能良さそうだよね……



「……蓮志さん。そのフォークどうするのよ……」



クリームソーダをチュウチュウしながら、ジト目でアリサがそう呟いた。



「あ……や、やっちまった!!ちゃんと弁償します!!あはは……」



その後、打ち合わせをしっかりと終えて、本格的なレベリングは2日後から開始と言う形となった。 方針が決まり、俺達4人は暫しの休息を楽しんだのだった。


ちゃんと帰る際にフォークの代金を支払ったのは言うまでもない……







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