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価値観の違い


こんな朝早くから一体誰だ、俺は足早にインターホンの鳴る玄関へと歩く。



「はいはーい!どちら様ですか?」



そう言いながらおもむろに扉のレンズを覗きこんでみると、明らかに普通ではない黒服の男が頭を下げてそこに映っていた。



「本多蓮志様、急に押し掛ける様な形で申し訳ありません。我が主人様の為に 少しだけお時間を作って頂きたいのですが宜しいでしょうか。」



おいおい。明らかに一般人じゃないだろ……

どう見ても不審者だよね? それに主人ってだれだよ。 なんか危険な香りがするのは気のせいだろうか。



「あ、あの……俺に何の用でしょうか」


「申し訳御座いません、私の口からはお答え致しかねます……」


「は、はぁ…… 悪いんですがお引取り願えませんか?俺今日は用事があって……」


「……それは大変失礼致しました。しかし、主人様は本多蓮志様との面談を御所望されています。 私も易々と引き返す訳には行きませんので。」



こ、怖ぇ!要するに強制的に主人に合わすって事だよね。なんか危ない匂いがプンプンするのだが……



「わ、わかりました。少しだけならお話しお聞きしますよ……」


「ありがとうございます。それでは御手数ではございますが此方へ」



おい。ちょっと待て!

何で俺が得体の知れないヤツの所に出向かなくちゃならないんだよ。 しかもフルスモークのリムジンとか乗ってるヤツなんて危険すぎだろ!



「いやいや!申し訳ないが、話を聞くが俺の家でのみだ! それが無理なら申し訳ないがお引き取り下さい。」


「……分かりました。 主人様にお伝えして参りますので少々お待ち下さい」



黒服の男はそう言うと軽く頭を下げて、リムジンへと歩いて行く。 俺は一度部屋に戻ると、アリサへと事情を話していた。



「怪しいわね。 蓮志さんに何の用があるのよ…… 私も一緒に聞かせてもらうからねっ!」


「あぁ、頼む!」



俺はアリサと一緒に玄関へと向かう為、リビングを出ようとした時思わず固まってしまった。



「初めまして本多蓮志。私に命令するなんていい御身分ですわね。 それにしても庶民はこんな物置みたいな場所で生活なさっているの? 」


「ちょ、ちょっとアナタ! 急に押しかけておいて何なのよっ!それに、靴ぐらい脱ぎなさいよね! 」


「……藤田。 その薄汚い女は?」


「はい。椎名アリサ様19歳現在は、本多様とパーティーを組まれています。主な戦闘スタイルは前衛盾職、経験は未熟ですが卓越したセンスがありこの先の成長が楽しみな人材だと思われます。 」



俺は思わず息を飲んでしまう。 なぜアリサの事を知っている? この様子だとオレ達の情報はほとんど知られていると思っていいだろう。



「……アナタ達は一体何者なの」



アリサが放った言葉に、得体の知れない女性はニヤリと口角を上げる。 オレはその表情に寒気を感じていた。



「ふふふ……ゾクゾクするわねその表情。 私は特殊異能力部隊 【E′S】3番隊隊長 徳凛花と申しますわ。 今日は本多蓮志……貴方をお迎えに参りました」


「は、はぁぁ!?意味が分からないんだが? 俺はその特殊異能力部隊 【E′S】なんてもの知らないし、それに急にそんな事言われても困るんですけど。 」


「あらあら、貴方は既に私達と接触していますわよ? そうですわね…… 黒鬼、と言えばお分かりになるのではないですか? ウフフ……」



俺の心臓が激しく鼓動し始めていた。

まさか、こんなに早く奴らと接触するとは思ってもみなかった。



「ウフフ……どうやら思い出されたみたいですわね。 今日はただの挨拶ですわ本多蓮志。 ……そうですわ、藤田例のモノを」



黒服の男はテーブルの上にやたらと大きなアタッシュケースを乗せると、慣れた手付きでケースを開き俺に見えるように少し押し出した。



「5千万ありますわ。私の元にいらして下さるなら更に5千万用意致します。 ウフフ、悪い話ではないでしょう?」



俺はアリサに視線を向ける。 アリサは初めて見るであろう大金を目にして固まっているようだった。



「……ウフフ、いいわ。その女も連れてきてもらっても構いません。そうね……500万……いえ、1000万でどうでしょうか?」


「……1000万。ど、どうせ裏があるんでしょっ!」


「裏?下らないですわね。欲しいモノを見合った金額で買う事がおかしい事でしょうか?」



徳 凛花の顔は子供の様な顔に見えた。ただ単純にオモチャを欲する子供の表情に、俺とアリサは言葉を失っていた。



「ウフフ、それでは良いお返事を期待しています。 行きますよ藤田 」


「はい、お嬢様 」



何事も無かった様に立ち去る2人。 俺とアリサはただ呆然と2人を見つめていた。



「……おーい……アリサさん。 これは、ドッキリでしょうか……」


「……あ、あはは……私には理解しかねます……」


「「…………」」



俺達の1日はこうして幕を開けた。








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