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無法地帯


またもや中途半端で投稿を涙

また修正して文面手直します!


※すいませんようやくと完成致しました汗

ちまちま編集となってしまい申し訳ありません。


体が熱い。全身を炎で包まれている様な感覚に、俺の意識が途切れそうになってしまう。絶対に意識を手放すものか……3人を助け出すまでは絶対に!



「うがぁァァァッッ!!」



限界のスピードで単眼の巨人へと移動した紅き鬼は勢いに任せて拳を撃ち込んでいた、意表を突いた攻撃は爆音を発生させ、腹部を撃ち抜かれた衝撃に単眼の巨人の体躯をくの字に折り曲げてしまう。


まだだ!このまま一気にカタをつけてやる!


紅き鬼はただひたすらに暴力と呼べる攻撃を振るっていた。力任せに何度も叩きつける拳は血に塗れ巨人の命を一方的に削り取る。悲痛な叫び声と爆発する様な衝突音が部屋に響く。もっと血を……殺さなくては……



「があァ……取り込まれるな……ぐガぁ……目的を見失ってはイけない……」



深い闇へと沈んでいく俺は、足掻き意識を必死に止めようとするのだが、体の動きまでも止まってしまう。ぐ、これ以上は保つ自信がない……危険すぎる!


地面を這う単眼の巨人は身体中を陥没させ、痙攣を繰り返していた。後少しで倒せそうなんだ!俺は一歩巨人の元へと足を踏み出した……





ドガァッッ!!




突然頬にトラックがぶつかる様な強烈な衝撃を受け空中を舞っていた……頬のコーティングが崩れ弾け飛んでいく。意識を刈り取られそうな衝撃は今まで感じた事がない程の痛みだった、明らかに自動回復量を上回るダメージは、俺に死への恐怖を刻みこんでいく……


吹き飛ぶ俺の視界には、腕を振り抜いた黒き鬼の姿が映っていた。


直ぐに復元されていく顔部分のコーティングは、俺の戦意をも復活させてくれる。体を捻り地面へと降りると同時に俺は、地面を蹴り抜いていた。床が砕け爆発を起こした瞬間、黒鬼の胸部分は俺の攻撃によりコーティングが崩れ落ちていくのだった。黒鬼の口元から地面へと落ちる血液……コイツを気絶させれば暴走が止まる?


バカ言え……こんな楽しい事辞めるわけねぇだろ?

あぁ。いっそのこと殺してしまうか!


激しい殺戮衝動は俺を狂わせ蝕んでいく。黒き鬼の表情は読み取る事はできないが、きっと俺と同じ様に戦いたくて疼いているはずだろう。俺の口角は釣り上がり自然と笑みがこぼれてしまうのだった。


ほぼ同時にぶつかり合う2人は回避する事もなく、激しく攻撃に転じていた。お互いの体に纏われている鎧は高速で破壊と再生を繰り返していく。均衡が破れたのは一瞬だった……

黒鬼を構築するメタリックコーティングの再生速度が僅かだが追いつかなくなっていたのだ。


俺が振り切った腕は空を切ると、地面へと片膝を付く黒鬼の姿があった……無残に剥がれ落ちていく黒鬼のコーティングは、次第に黒鬼本来の姿を露わにするのだった。



「がはっ……まいった……な。僕は暴走した……のか……」



女性の様な中世的な顔立ちは、血の気が引き青白く見えた。壮絶な死闘は俺の持つ自動回復が上回ったようだ。コイツを殺せと血が沸き立つ……僅かな理性を手繰り寄せるように俺は、目を閉じ激しい殺意を抑えつける。ぐぅっ……これ以上自由にさせる……かよ!



「扉の外へ向かえ……はやくっ!!俺もこれ以上抑えつけるのは無理かもしれない……いけっ!……」



「有難い話だ……が、そう言う訳には行かないんだよ……ね。色々と複雑なんだよ。それにまだやり残している事があるみたいだしね……」



小瓶が地面へと転がっていた。ポーションだろうか……突然黒い炎が捲き上ると周辺は熱によりユラユラと空間を歪めていく。一瞬彼の口元は何かを呟いた様に見えた……その瞬間に地面へと引き寄せられるかの様に俺の体は前のめりに倒れてしまうのだった。

微かだが空間を切り裂いた残響を耳に残しながら。


俺は切られたのか、痛みはあまり感じない…予想外の攻撃に俺は冷静さを取り戻していく。立ち上がった俺の体には一筋の裂傷が刻まれていた。ふと違和感を感じた俺は、両腕、両足にも同じ様に刻まれた切り傷に驚愕してしまう。5連撃……あの一瞬で5連撃もの斬撃を受けていたのだ。



「はっ、はははッ!!驚いた……おかげで意識がハッキリとした。助かったよ」



俺の体から剥がれ落ちていく赤黒い謎の金属片。俺はなんとか自我を保つ事ができたようだ。



「少しだけど借りは返しておくよ。僕は借金は嫌いなんだよね……」



そう言った男の顔は一瞬優しい表情へと変わったように思えた。黒鬼の時より遥かに強いんじゃないか?何故彼は黒鬼へと変わらなければならなかったのだろうか?俺は疑問を浮かべつつも言葉を飲み込むのだった。



「悪いけど巨人のトドメは僕がもらうよ。」



二本の黒い刀を無慈悲に単眼の巨人へと突き立てた男は、血を振り払うと腰の鞘へと刀を納刀する。







ネームドモンスターのデスキリングアーム〔ガブドラ〕 LV30を倒しました。


本多 蓮志のレベルが上がりました。


椎名 アリサのレベルが上がりました。


尾崎 美琴のレベルが上がりました。


尾崎 美琴のレベルが上がりました。


山瀬 かおりのレベルが上がりました。


山瀬 かおりのレベルが上がりました。


尾崎 美琴のレベルが上がりました。


………


……



称号 【死鬼を鎮めし者 】を獲得しました。


スキル【鬼力】を取得しました。





【世界で初めてパーティー共闘でネームドモンスターを倒しました】


称号【力を合わせし者達】を獲得しました。


スキル【結束の証】を取得しました。






「また君には借りを返さないといけないみたいだね。」




…………


……




無事に解放された尾崎さんとかおりちゃんは、申し訳無さそうに俺へと視線を向ける。むしろ彼女達を強制的にパーティーへと加入させた俺の招いた結果だ。



「2人とも大丈夫か……?俺のせいで危険な状況に巻き込んでしまってすまなかった……」


「違いますっ!蓮志さんに無理やりついて行った私達の責任ですから!それに、私達が蓮志さんやアリサさんの足を引っ張ってしまって……本当にごめんなさいっ!」



かおりちゃんはそう言って俺とアリサへと頭を下げる。尾崎さんも同じ様に頭を下げ俺とアリサへと涙を流していた。今回2人に辛い思いをさせてしまった。俺は2人の頭をそっと撫でると、安心したのか声を上げて泣きだすのだった……



…………


……



「本来ならば僕達の脅威となり得る存在は、強制連行しなくてはならない。ダンジョン内において市民の尊厳は意味をなさいんだよ。基本的人権など存在しない……法律などこの場所では、意味を成さないと言う事だね。」


「それが国の意思って事ですか……」


「さあ、どうだろうね?ここからは独り言だよ。僕達はこのダンジョンを沈静化する為に来た。そして無事に目的を成すことに成功した……僕達の力だけでね。此処には僕達以外は存在しない。さて、引き上げるとしようか……今日は流石に疲れたよ、何も考えられない程にね。」



そう言うと俺へと視線を合わせ敬礼をする。残りの隊員達も一斉に俺達に向け統率された敬礼の姿勢をとっていた。


俺は彼等の背中を見つめながら、複雑な気持ちになってしまう。話を流されてしまったが、間違いなく国が関わっている、それにダンジョン内での法律は通用しないと言う彼の言葉も気になってしまう。



「できればもう会いたくはないな……、少し休憩してダンジョンを出よう」


3人とも力が抜けるようにその場に座り込むのだった。極度の緊張感が切れた俺も同じ気持ちだよ……



「単眼の巨人は奪われたが、まだ一つ大事なモノがあるはずなんだ……」



彼等は知らなかったようだが、本当の意味でダンジョンを沈静化させるには、ダンジョンコアを取らなければならない。このままだと、ネームドモンスターを倒したとしても時間経過で、モンスターが復活する可能性が高い。


それに1番の問題は最初のダンジョンの様に、統率者を失ってしまったモンスターによるスタンピートだろう……思わず俺は寒気を感じ体を震わせてしまった。



「アリサ少しまえに話したダンジョンコアがあるはずだ、すぐに回収するぞ」


「わかったっ!モンスターが暴走する可能性があるって事よね?」



俺は頷くとアリサの表情は引き締まっていた。巨人のいた室内を隈なく探し、隠し通路を見つけた俺達は、無事にダンジョンコアを手に入れる事に成功するのだった。












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