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ダイヤモンドのサナギ


アリサの提案により俺達はダンジョン攻略に向けての共同生活をする事になった。これから仲間としてダンジョン攻略をして行くと言う事から、アリサの強い希望により共同生活は、本日からスタートする事になったのだ。



「ん〜。ここが蓮志さんの部屋ですか……ふふふ。」


「そこ!ベッドの下をあさらないの!」



コソコソと室内を物色するアリサの目は心なしか輝いているようにも見える。決してやましいものは出ない。出ないはずだ……俺はネット派だからな!


意味のわからない事を考えつつも、アリサへと話を振っていく。



「暫く家を離れるって事をアリサの家族にはちゃんと伝えろよ!」


「ん〜。私には家族がいないのよ。何処で何しようが問題ないよ!」


「そ、そうだったのか……女性に聞くのはどうかと思うが、アリサはいくつなんだ?」



外見は大人びているが、たまに見られるあどけない表情が俺よりも年下だと感じてしまう。万が一未成年だった場合、共同生活も考え直さなければならないだろう。



「大丈夫だよ!ちゃんと成人してますからっ!家族もいないけど、彼氏もいないわ!蓮志さんとの共同生活は何も問題ないはずよね?」


「ま、まあな。成人してるなら問題はない……」



何気に出てきたアリサのプチ情報が何度も頭を過ってしまう。〝彼氏もいないわ″……〝彼氏もいないわ″……。



「お〜い。蓮志さん?」


「あ、すまない。明日はアリサの必要な物を揃えて、倒木ダンジョンを少しだけ視察するって事で良かったよな?」



アリサは頷くと、恥ずかしそうにモジモジし始めるのだった。



「蓮志さん……言いにくいんだけど、必要な物だけしか持って来てないから、その……」


「どうした?遠慮なんてしなくていいよ。これから一緒に生活するんだろ?」


「……明日買いに行くまでのパジャマ貸してもらえないかな……」



しまった……男としての配慮が足りなかった。アリサの手荷物は小さなバック1つで、パジャマなどは持っていないと気付いてやれなかった。



「まだ22時だし、今日使う物だけでも買いに行くか?」


「ううん。歯磨きもあるし、化粧もしてないし、パジャマがあれば今日は大丈夫だと思う!」



ちょっとまて……ノーメイクだ……と……。


女性の化粧は俺にはわからないが、大半の女性は化粧によりサナギから蝶へと進化すると言う。そう……変身だ。ほとんどの男性は変身を見抜く事が出来ずに、枕を涙で濡らしてしまう……と、言う事も聞いた事がある。


ならば!彼女はどうだろうか?

現状まだサナギのはずだ……しかし!サナギの段階にもかかわらず、特質した美貌を纏っているのだ。ならば……蝶を見たいとは思わないか?


声を大にして叫ぼうではないか!俺は彼女が蝶へと変わる姿を見たいのぉぉッ!



「アブッッ!!……な、なぜ枕を投げたんだ……」


「な、何となく投げなきゃいけないような気がしたの……」


「そ、そうか……」



否定はしない。できない……

今はこれ以上は考えないでいよう。いつかその時が訪れるはずだ、俺は願望をそっと胸へと封印するのだった。


その後アリサはシャワーを浴び、少し大きめの俺のTシャツを着ているのだが、彼女は普段寝る時は下着を着けないと言う、伝説の呪文を唱えたのだ……!


今日必要な物に下着が無かったのはその為だろう。俺は現在ほのかな石鹸の香りを感じながら、心の中でお経を繰り返し唱えている。



「蓮志さん、これ見えますか?」



アリサは胸元を指差して俺へと問いかけるのだった。



「な、な、な……め、目を凝らせば見えるかもしれないなぁ……どれどれ……」


「ちょっ、ちょっと!私のステータス画面見えてるかどうかの確認だから!」


「へ……し、知ってるしぃ!……ステータス画面探してただけだし。」


「「…………」」



ハニートラップに危うくハマってしまうトコだった。注意しなければこの精神状態では、赤子の手を捻るぐらい簡単に罠へとハマってしまうだろう。頭を振り一度考えをリセットする。



「ステータス画面は俺には見えない。って事は、俺のも見えないって事になるのか?」



ステータス画面を開きアリサへと確認するが、やはり俺のステータス画面もアリサには見えていないらしい。自分のステータス画面を見た俺は、今までなかったある項目に気がついたのだった。



「これはもしかして!」



その項目をタップしてみると、予想通りのメッセージが聞こえてくる。






椎名 アリサさんをパーティーに誘いました。





「やっぱり……ゲームと同じ様にパーティーを組めるんだ。アリサパーティーに入ってくれるか?」


「了解です!パーティーに入る……っと。」





椎名 アリサさんがパーティーに加入しました。




やはり予想通りの結果に2人で声を上げてしまう。アリサがパーティーに加入した事によって、お互いのステータス画面が見える様になっていたのだった。


これは素晴らしい発見だぞ!パーティーシステムによって、モンスターを倒した時の経験値分配などもあるかもしれない。他にも何かありそうな予感に俺は少し舞い上がってしまった。



「アリサ今日はここまでだ!早く休んで明日に備えよう!忙しくなるぞ……」


「うんうん、了解!明日が楽しみぃ〜!!」



俺達は、興奮さめやらぬ中で眠りにつくのだった。もちろんアリサにベッドを譲り、俺は床に布団をひいて眠りました。






彼氏いない、下着つけない、これ見えますか……

彼氏いない、下着つけない、これ見えますか……


…………


……




「チクショぉぉっっ……」



蓮志の夜はまだまだ長いのでした。









ダイヤモンドのサナギ編如何でしたでしょうか?笑



男心は脆いものです。ふとそんな事を考えてしまった、ダイヤモンドのサナギ編となりました。


正直あの状況は生殺しの様で、蓮志が可哀想に思えてしまいます……


いつか蓮志に春が訪れる事を祈っております。著者次第の未来に、蓮志の叫び声が聞こえそうですね笑


さてさて、遂にパーティーシステムを発見した蓮志達は、今後リーダースキルの恩恵を受ける形になります。ジョブスキルなどにより成長を遂げた蓮志は、更なる強さを手に入れるのでした。


強くなった蓮志の戦闘場面も乞うご期待です!



明日10/26日も更新予定ですので、明日もお楽しみ頂けたらと思います!




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