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先見の対策


高速でモンスターの横を通り抜ける瞬間に、力任せにただモンスターへと手を叩きつけていく。側から見れば、ただ暴れているだけに見えるかもしれない俺の行動は、次々とモンスターを切り裂き葬っていく。


モンスターを切り裂いた手には、赤黒い色彩でメタリックコーティング化された、手の甲から指先にかけてナイフの様な鋭い爪が鈍く輝きを放っていた。


円形の広い部屋には、見るも無惨に100体近くのモンスターの屍が大量に積み上げられていたのだった。


俺はモンスターの屍の中1人立ち尽くしていた。今も更に昂ぶっていく殺戮への感情が俺を支配していく、まだ物足りないと血が騒ぐのだ。モンスターの返り血を浴びて気分が異様なほど高揚してしまっていた。まるで悪魔に取り憑かれたかのように。


「グガァッ!うっ。グアァァぁァッッア!!シズまレヨっ!鎮まれって言ってんだろうがぁっ!!」


このまま飲み込まれてしまいそうな殺戮衝動を、俺は無理矢理抑えつけていく。このまま身を任せればきっと俺は化け物と化してしまうかもしれない。


次第に殺戮衝動は靄を払うかのように薄れていくのだった。


「ハァハァ……なんとか助かった……」


両の手を地面につき荒い呼吸を繰り返していた。俺へと纏い付く謎の鎧は、ボロボロと体から剥がれ落ちていくと本来の姿へと俺は戻っていく。鎧が剥がれ落ち元の姿へと戻った俺は、全身の筋肉が引き千切られるような痛みに意識を失いそうになっていた……


震える手で空間ボックス内の万能薬とポーションを鷲掴むと、貪るように一気に飲み込んでいく、吐き気を催す程の激痛はしだいに収まっていくと何とか動けるぐらいには回復していたのだった。


…………


……



既に部屋内を取り囲む光の壁は消えていた。片っ端からモンスターを光に変えて空間ボックスに収納していくのだが【blood mode】を発動してから俺にはあまり記憶が無かった、恐ろしく強力な力で無ければこの数のモンスターを倒せないだろう。

今後この力は安易に使用しては行けないと、俺は決意するのだった。


ポーションを使っていくら傷を癒しても、精神的に俺は限界だった。円形の部屋を抜けると直ぐに仮設ログポイントを使用してダンジョンを脱出した俺は、ダンジョン入口付近で座り込んでしまう。


「今回は本気でダメだと思った。俺1人じゃもう限界だ」


今回のダンジョン攻略は、命を失わなかったのが奇跡だろうと感じていた。再び奇跡が起きるとは考えられない、考えてはいけないのだ。危険を出来るだけ避ける為には誰かの力を借りなければならないだろう。


「とりあえず家に帰るか。考えるのはそれからだな」


家に帰る事が出来る。たったそれだけで少し幸せな気分になれたのだった



…………


……




部屋に戻ると時間は昼を少し回ったぐらいだった。2、3日ダンジョンに篭っていた感覚だったので違和感を感じてしまう。俺は空間ボックス内から食事を取り出すとまるで今作ったような、できたての食事を食べ始める。正確に言うと空間ボックス内は時間が停止しているので、仮に一ヶ月空間ボックスへと収納していたとしても、作りたてのまま食べる事が出来る。チートスキルだ。


食事をしている間に自分のステータス画面を呼び出し確認していく。今回も覚えているだけでかなりレベルアップしているはずだ。







本多 蓮志 LV12→LV20(22歳)


職業【ダンジョンシーカー】【JP24】→【JP40】


HP 【279/310】→【279/490】

MP 【48/210】→【48/340】



スキル 【SP24】→【SP40】


【地図】【空間ボックスLV3】【仮設ログポイントLV2】【鬼魂LV2】【自動解体】【天啓】【強者の証】【ダンジョンコア】【魔眼】



new

武具固有スキル

new【blood modeLV1】



称号

【ダンジョンシーカー】【悪鬼を鎮めし者 】【救世主】【強者を打ち倒し者】【ダンジョンを制した者】




ダンジョンコア

【鬼のダンジョンコア 】 【DP77681】







新たに武具固有スキルが増えていた、【blood mode LV1】俺の窮地を救ってくれた強力な固有スキルだ。使用後は身体のダメージが大きすぎて多用は出来ない、更に使用中の洗脳されているような殺戮衝動はかなり危険だと思っている。




【blood modeLV1】鬼血の手甲の秘められた力。鬼の魂と所有者の血を融合させ鬼の如き力を具現化する。使用者の全てのステータスが50%+α UPする。

※使用MP250




「今日は流石にダメかと思った。ダンジョン攻略は暫く休んで、本格的にステータスとスキルの強化を始めるか」




【ダンジョンシーカー】世界で初めてダンジョンへと辿り着いた者へと与えられる称号

※限定職業ダンジョンシーカーを取得する

※職業ダンジョンシーカーでレベルアップ時JP修正+1



【救世主】世界で初めてモンスターを討伐した者へと与えられる称号

※限定スキル【自動解体】【天啓】を取得

※レベルアップ時SP修正+1




俺は限定職業の【ダンジョンシーカー】と称号の【救世主】によって、レベルアップ時のJPとSPが+1されると言うチート的修正恩恵を受けている。今まで使用していなかったが、そろそろ使用しないと今日の様な危険に陥る可能性が高くなってしまうだろう。


少しでも強くなりその様な危険を回避できるなら、今すぐにでも強化しておくべきだと判断したんだ。


可視化ステータス内のダンジョンシーカーをクリックすると、今までなかった文字が追加されていた。さて、初めてスキル【天啓】を使う事になりそうだ。確か職業変更もできたはずだが、ダンジョンシーカーの一択でいいだろう。


【天啓】神の声を聞く事ができる

※パッシブスキル

※任意で職業変更、JP使用、SP使用ができる






【ダンジョンシーカー】【JP40】



HP自動回復量上昇 【JP2】

MP自動回復量上昇 【JP2】

身体能力上昇 【JP1】

小剣ダメージ上昇 【JP1】

弓ダメージ上昇 【JP1】


…………


……




ざっと見ただけでもかなりの量があり、俺は暫く悩んでいた。JPを使用して強化できるものは、ステータス上昇や状態異常系の耐性、見慣れないもので言えば各属性の上昇、耐性などもあった。なかでも真っ先に取得したのは、【スキルのCT減少】だった。


使用【JP6】とかなり使ってしまったが、スキル使用後のクールタイムを20%減少してくれる優れ物だ。悩んだ末に俺が取ったものは……




スキルのCT減少 【JP6】

HP自動回復量上昇 【JP2】

MP自動回復量上昇 【JP2】

身体能力上昇 【JP2】

小剣ダメージ上昇 【JP2】

弓ダメージ上昇 【JP2】

弓命中率上昇 【JP2】

斬撃耐性上昇 【3】

打撃耐性上昇 【3】

麻痺耐性上昇 【2】

睡眠耐性上昇 【2】

混乱耐性上昇 【2】

魅了耐性上昇 【2】

呪い耐性上昇 【2】

石化耐性上昇 【2】

盲目耐性上昇 【2】

毒耐性上昇 【2】




惜しみなくJP40を使い切ってしまった。HP とMP自動回復量上昇は持っておいても損はしないだろうし、身体能力上昇と俺が今使用している武器に関連する、小剣と弓の上昇系は必須だ。


斬撃、打撃耐性は言わずとも確定だった。あとは状態異常耐性、俺はまだ毒とか麻痺を受けていないが、この様な耐性上昇などが存在しているなら、これから先に状態異常をしてくるモンスターなりトラップがあると言う事だろう。


可能性を考慮すれば間違いなく取得しておいた方が、危険を回避できると判断した結果だった。










先見の対策編如何でしたでしょうか?


職業にはそれぞれ能力値上昇や耐性値上昇の項目が存在しています。蓮志の限定職業ダンジョンシーカーは数ある職業の中でも、多数の項目を有しているレア職業となっております。


蓮志は知りませんが、普通はあれ程の量はないんですよ……


次章はSP編となりますが、これもまた限定職業や称号持ってますからね……笑


本日も更新が間に合い安堵している著者の独り言でした。


10/19日も更新予定です、是非お読み頂ければ嬉しく思います!



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