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第五話 姉さん、神様はメ〇カリで売ってるそうです

-放課後


 いつもならば、見て回るいつもの帰り道にそのまま向かう時間。

 だが今日の校門近くのそこには。


 …。


 包帯を巻いたよくわからない人間と、見覚えのある小さな女性がいた。


「なんですかね、それ」

 思わず包帯の塊を指さす。

羽黒未来はねくろみこ、我を呼び出した信徒」

 人なんだ。

「あ~名前言ってなかったんだね~、ありがとうねチェルノちゃん」


 つまり、昼の大きいほうの人か?

 そうはみえないが。


「ただその辺に居るだけなら何とかなるかと思ったんだけど、バイクひったくり二回に車に四回はねられて重機にけつまづいて上からは切れた電線やビルの鉢植えとか襲って来たりすごかったんだあ今日も」


 え、何らかの修羅の国にこの間に行ってきたのですか?


「日常だ」

「そんな日常は嫌だな…」

 相手を気にせずふつうにぽろっと言ってしまった。

「あ、ごめんなさい」

「いいよお~、毎度でいい加減慣れたから」

「それが毎度なんですか…」

「他人が防止はできる、でなくては死んでいる」


 できてない気がする。


「ま、おうちイこ~、これに関しての相談できたんだよ~」

 未来さん?がわりとのんびり話す。

 病院が先ではとは、現状切り出せない。

 …慣れているというからには、そこにも何かあるのだろう。



 そして、そのまま自宅。



 ここに至るまで、花瓶にスパナになぜか風に飛ばされた日本刀に、様々なアクションゲーム要素かと思わせる障害物が降り注いでいたのは割愛する。



「そういったわけで、すっごいわけだよ~」

 ある意味すごい程度は超越しているが。


「これは言ってみればチェルノちゃんのご加護なわけなんだけど」

「よくわかりません…」

「これを少し抑制か無効かしないでそのまま強化されると~」

「危険ですね」

「結婚できるか問題になってくるし!」


 それ以前に死んでるから!


 言いたいことはこらえる。


「それで、チェルノちゃんの能力以上の存在を探して、一部の力を相殺してもらうのがいいって言われたわけ~」

「いるんですか…?」

「いるさ~、例えば目の前に」

「いやいや…」

 それ以上って、周りの生物根絶やし以上のこと僕はしたことはない。


 たぶん。


「チェルノちゃんはチェルノボグ、つまりのところ世界で創世を行ったものという役割なんで、なかなか難しいことではあるんだけどね~」

「スケールがまったくわかんないです…」

 突然。

 笑いながらナニ言い出したか。


 言葉が通じないレベルにひょん、と、飛躍した。

 電波カテゴリなの?この人。


「そもそも、そのチェルなるひとがどこからどうしたのから、僕には混乱する要因なんで…」

「ああ、その本だよ?」



「へ?」


 言われた意味が。


「週刊のそれ~。私のところのにはチェルノちゃんが入ってた」


 …へ?


「え、本物がなんかあるんですか」


 芸がないと思う余裕もなく聞き返してしまう。


「今更だなあ、知らなかったみたいな顔を~」


 今更どころか、かつて一度も聞いた覚えはないですよ。


「ぜんぶちゃんと、奉ずる何かの一部だったり、神様そのものが入ってたりするって書いてるよ?」

「なわけないじゃないですか…」

「いやだって、わたしのところちゃんとこうなったし」


 こうの言葉が何を指すかがわかってないんですよ。


「私を模した感じでなんかこんなだけど、チェルノちゃん自己申告的にはすごいんだから~」

 すごいのはいろいろ知ってます。

「私も、本見つけて四冊くらい買っちゃってね、楽しそうだったから」


 これを楽しそうに思うのは、なんかかなりのマニアックな人なような。


「その中で急に大きくなって大当たり!って思って、惚れこんじゃったんだよチェルノちゃん」

 ほんとついてけない。

「…で……というか…」

「なになに~」

「だとしたら買ったそのほかは…」

「あー」

 乗ってきた、と言わんばかりに目が輝く。

 しまった。

 興味がない、で早めに打ち切る空気にすべきだったのか。

「ききたい?」

「ま、まあ」

 とはいえここで機嫌は損ねたくない。



「メルカ○で売った」



 …○ルカリで売ってるんだ神様って…。


「いやあ~、やっぱり同好の士の呼吸っていうんですか、見出し良ければそれなりに売れるもんでね~」

 やめてください。もう。


・・・・・数十分後


「まあ、そんなでチェルノちゃんは完全に今の日本のことを学びつくす感じで、可愛くなったんだよね~」

 ずっと無言で殺気立ってるひとのことですか?

「ほんでね、ほんでね、チェルノちゃんが、なんか近い力を感じる。これならって言ってくれたわけ」

「近いっていうのが、抽象的な感じで怖さ爆発ですが」

「あれだよ、サイレンサー効果みたいに、ぶつければその辺平和になるオーラみたいのだと、私は思うんだ」


「あんまり僕は思えないかもしれません…」


 一応反論。


「ね、チェルノちゃん」

「…すまないが、話の途中で、良いか」

 なんか重い顔のチェルノボグさんが、下を見て話しだした。

「おうおう~、チェルノちゃん様のおことばひっさしぶりぃ」

「戻すぞ」

「?」

「?」

 言われたことが分からない。

 未来さんとふたり、一様に、きょとんとする。

「なんて?」

「やはりちょっと重い、戻す」

「え、吐くとかそういうことを言ってらっしゃる?」

「いやあ、食べ物とかそんな食べる子じゃないし~」

 言葉の意味が、それぞれ飲み込めてない。



 そのまま。



 さらり。



 悪寒のような感触が一瞬、また走り。


 彼女、チェルノさんの髪の色が真っ黒に染まる。


 こんどは、本当にそれが確認できただけの一瞬。

「ふう」


 何が起きたの。


「でもほんとだ、この子ほんとにチェルノちゃん様の隣に居て何でもないわ」

「な、なんですかそれ」

「いやね、私はチェルノちゃんが守ってるから当たり前だけど、神格のモードのチェルノちゃんは自分を拡大して作られた世界に全てを取り込む怪物だから、例外なく生き物って死ぬんだよ~」


 …え!?


 すごいこと言ってません?


 そんな当たり前みたいに言わないで。


「そうして、創造神として作った世界と置き換え、今あるところを食って強くなるらしいんだ」

「めちゃめちゃ危険じゃないですか!!」


「神様だし」

 さらり。

 慣れてると言わんばかりに未来さんは言うが。

 言うが。


-邪神だ。


 これは確かに邪神が復活している!!

 本がマジなこと言ってた!


 やべーい。

 これは何とかしないと…。

「お前では無理だろう」

 チェルノさん?

「前にも言わなかったか、思うこともすべてわかる」

 言ってたような、なんかあったような。


 なんか、すごいことに首突っ込んじゃったんじゃ。

 大変なことになっちゃったぞ。


「しかし、願いがかなえられるならお前の話も聞かなくはない」

「世界征服とかは、考えないようにお願いします」

「あまり意味はない願いごとが好きだなお前は」


 いやけっこう大それた感じの話ですよ?


「まあまあ、そのうち色々丸く収まるはずさ~」

「いや今の聞いて、と言うか知ってあんた肝太いな!」

 一応年上として敬語使うのも一瞬忘れてしまうほどに。

 いろいろギリギリな精神になってしまった。

「知らない世界を見に行こう~できるのだよ~」

「そうじゃな…!!」



 どさっ。




 なんか、戸の向こうで落ちる音が、した。

 大きい重い音が。


 な、なに?


「あ、空き巣…では」

「そういうのは、話声するところに来ないんじゃないかなあ」

「じゃあ、うちのお姉ちゃんかな…」

「いやそうだったら、声かけたりしない?」

「ならお隣さんが…」


「見に行け」


『はい』

 チェルノ様一勝。

 でもって、戸を恐る恐る開ける。


 そこには…。


「えええええっ」


 なんかいた。


 なんで。


 そこには


 裸の金髪の女性が、大の字に横たわっていたのだ。



 なんだこれ。


 意味はわからないが、大事が続きすぎてもう、混乱で手が動かなかった。

 どうしよう…。

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