表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮面と旅する別世界  作者: 楸 椿榎
現世侵攻編
117/123

第百二片 剣と魔術

 塔の中にも、何体もの魔物がいた。

 ガルムさんが大体の魔物を一気に排除してくれていたが、数十階上ったところでさすがに魔力切れを起こし、戦線を離脱した。


 そして、次の階層に進むと、敵は一人だけだった。

 しかし、その一人は50メートルはあった間合いを一気に縮めて、レイピアを突き出してくる。


「危ねえなぁおい」


 メネスさんが瞬時に俺と相手の間に割って入り、鞘で相手の攻撃をいなす。

 ハハルさんが魔術で攻撃を加えようとすると、相手は即座に距離を取った。

 そして。


「……」


 一言も発することなく、腕が光ったかと思うと、特大の火球と水の龍を放ってきた。


「詠唱略式『堅牢なる偉盾シールズ・グランディネス』!」


 目の前に現れた数枚の巨大な盾が、相手の攻撃に当たると共に爆散した。

 ハハルさんはこちらにちらと目を向け、それからすっと目線を動かした。誘導されるように目線の先を追うと、次の階への階段が伸びていた。


「相手は魔術と剣術の使い手、私たちが引き受けますから、皆は早く上へ」


 ハハルさんの指示に従い、俺たちは階段のほうへと走った。



―――*―――*―――*―――*―――


 相手はなぜか冬くん達を攻撃しない……。

 彼らが次の階に進むのを確認すると、相手は私たちに向き直った。


「アストリアが誇る剣の才と魔術の才。お相手出来て光栄だ」


 初めて相手が話しかけてきた。しかし、あまり言葉を交わしたくはない。


「あなた、『魔術回路』を使ってますね」

「おお、よくご存じで」


 やっぱり……。

 彼は袖を捲り、腕に刻まれた複数の紋様を見せてきた。


「あれは未完成だったんです。だから禁忌になった。私はそれを完成させた。人体に影響がないレベルにまで押し上げた。何か問題でも?」

「いえ、障壁になるのなら何だって同じこと。たとえ相手が禁忌を使っていてもいなくてもね」

「そうだな、一回あんたとはやりあいたかったんだ。今回の俺はちょっと『特別』だからな。さっさと終わらせてあいつらを追いかけさせてもらう!」

「では、私もそうするとしましょう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ