表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮面と旅する別世界  作者: 楸 椿榎
ラスフロス編
102/123

第八十九片 おかえり

 港から首都へと馬車に乗って帰ってくると、町中の人が出迎えてくれた。


「冬さん、よく帰ってきたね」とおばちゃんが。

「お前ぇ……もう帰ってこねえかと思ったぞ……」と涙ながらに大工のおっちゃんが。


 他にも大勢の人が帰還を祝ってくれた。


「み、皆さん、ありがとうございます」


「人気者だな、冬!」

「……」


 茶化してくる中籠と、無言の春。


「さぁ、このまま王城に行くぞ、冬君」

「はい」


 前の馬車に座るレジルさんたちに続いて、俺たちは懐かしき王城へと進んだ。


 中籠は道中しきりに首を右に左に動かしていた。ラスフロスの町並みとは一風変わったアストリア建築(和風建築)が物珍しいのだろうか。いや、でもこいつの故郷日本だよな?


「こっちの世界にも日本建築あったんだな!」


 なるほど、そういうことか。


「俺、こういう家見るの初めてだわ!」


 瓦屋根のことか? いや、それはいくらなんでも……。

 待てよ。都市部ならソーラーパネルとか他の材質で屋根が覆われてたり、まずビルばっかだったり四角くて屋根が見えない家もあったりするか。


「それは言い過ぎだろ」

「春、俺の努力をどうしてくれる……」

「……? 何だか知らんが、悪いことをしたなら謝る」

「いや、まぁ悪くはないんだが」

「ん? 冬、春、何か言った?」

「いや、何でもない」

「そっか!」


 幸い中籠には聞こえてないようだし、別にいいだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ