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魔術学園でのあれこれ  作者: あめ
第一章
27/41

ハルシオン

ハルの中の話です。

不思議話です

全て溶け出している筈だ。

なのに、なぜ私は"ある"んだ?


「分かってるのだろう。」


…誰だ?


「それも分かってる筈」


だから誰だ。


「君だ」


私?

目の前に"私"が現れた。

本当に"私"だった。

じゃあ、私は何だ?


「だから、君も私も同じなんだって。同じ事を言わせるなよ。…けどまぁ、言うなれば私は“私”のアルフエイムってとこか。」


アルフエイム?


「そう。でもって、その場合君が“私”のアルニオン。迷える仔羊ちゃん」


アルニオン?


「合わせてハルシオン。結局は幻」


ハルシオン…私の名前…。


「ま、どうでもいい。言葉も結局は虚無だ。相手が自分だったら尚更。」


私も結局は虚無なのか?


「知らん。…しかし、やはりアルニオンだな。アタラクシアと人間の混血は面白い」


自分のことだろう?


「私はアタラクシアの記憶を持っているから、それと比べられるんだ。…君とは違ってね」


それはズルくないか?

バカを見ているみたいだ。


「人間はいつだってそうだろう?」


そうか?


「分かってるはずだ。だから言葉があるのだろう?」


さっき虚無だって言ったじゃないか。


「意義と本質を取り違えるなよ。君達は本質に行くと迷子になるだけだ。だから、ただ意義を建てては壊すのを繰り返していけばいいのさ」


…君は迷子じゃないのか?


「ああ」


何故言い切れる?

もし君に記憶がなくなっても、迷わないのか?


「ああ」


だから、何故言い切れる?


「全ては流れだ。私はその流れの一つに過ぎない。始祖の龍を見たろ?」


見たよ。

分かってる。

分かってたんだ!

でも、


「はっはーん。まーだ引きずってんのか?」


…。


「とんだマザコンだな。あぁ、ファザコンも入ってるっけか?まぁ、児の性格上仕方ないか。」


…。そう言うなし…。


「アニマもな、君への適応がなかったんだ。」


私の?


「そう、君の」


私が何かやったのか?


「あー、違う違う。どうしてそうなるよ。これが自意識過剰って奴か」


…うるさい。じゃあ、なんだって言うんだよ。


「ジンを愛した一つに君は既に入っていたんだ。が、繋がった後アニマは君を適応できなかった。私しかいなかったからな。」


今だって同じ状況じゃないのか?


「だから、二度言わせるなよ。いいか、君は私で私は君だ。2人で“私”なんだ。“私”つまりハルシオンは既に君を有している。適応云々の以前にな。」


…。


「不服そうだな。割り切れないか。」


あぁ。


「それが、アルニオンか…。吉と出るか凶と出るか…」


君のそういう所嫌いだよ。


「私は君のそういう所可愛らしく思うよ」


ふぬっ


「まぁ、いい。見れば分かる。行こう!」


え?


「鱗に乗るぞ」

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