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魔術学園でのあれこれ  作者: あめ
第一章
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魔力検査

アーサー視点です

「お前、マラルの知人か!?」

「え、…ええ。まぁ。」

「よかった。俺もアリも畏れ多くて話せなかったんだ…。アレン、これを渡しておくよ」


渡されたのは何の変哲もない葉っぱだった。


「普通の葉っぱだよな?」

「ボーの葉だ。それを持ってマラルと一緒にいてくれれば、俺らもそこに行ける。…………マラルはこの世界への理解が深い。お前のその覆いの話しを聞くことで何か掴める気がするんだ。お願いだ。どうか、持っていてくれ。」


ハブルに頭を下げられた。

俺は戸惑ってマーリンをちらと見ると、うなづいていた。


「いいよ。わかった。アリとチアノのおかげで覆いに気付けたんだ。感謝している。」


ハブルは頭を上げ少し笑った。


「お前は精霊に愛されているからきっと解ける。…俺らも協力する。」


ハブルはそう告げてドリオスの集団の方へ戻った。


「良かったのか?お前のお姉さん達に会わせる形になっちまったけど。」

「それは別に構いません。島から出たら他人も同然ですか…」


急にマーリンの口が閉じた。

汗がダラダラと出ている。

何か独り言も言っている。

とうとう狂ったか!?

やはり人間の皮を被った魔人かなんかで、今からその皮を破るのか?

ドキドキワクワクしながら見ていたが、落ち着いてしまったようだ。

マーリンが視線を列の前の方に向けた。

俺もそちらを見やると、双子がいた。


「この子がお世話になっております。ランバノ。」

「ランバノ?」


双子の一人が言った後、じっとマーリンを見て去っていった。


「何だったんだ?」


マーリンは無言で、前へ進む。


「お、おい。マルクス、あの双子何か言ったのか?ランバノって?」

「後で来いと言われました。ランバノは掴み取る者です。何が言いたいのかはわかりません。」


淡々と言うが、此方を向こうともしない。


「後で来いって、場所わかんのか?」


マーリンは口に指を横にして一瞬当てた。

口には出せないということか…。


「どうやって、話してんだ?声出してなかったろ?」

「特殊な魔法です。普通の人間には出来ないですね、アレン様は幼い時出来ていたかもしれませんが…」

「本当か?なんか俄然やる気が出てきたぞ。」

「最初からやる気になってください」


そうこうしている内に順番が回ってきそうだった。

マーリンは俺に耳打ちしてきた。


「多分、計測器にタオを流し込むようになどと指示があると思います。意識せずただ触れる程度にして下さい」

「なぜだ?」

「それは後で…」


順番になった。

先にマーリンだった。

マーリンは計測器を見て、一瞬動きが止まった。

何かあったんだろうか?

トーマス先生の指示があり、ぎこちなく計測器に触れると、少し輝いたようだった。

トーマス先生から何か言われてうなづいていた。


俺の番になった。

計測器は透明感のある黄金色の卵型の石とそれを乗せた金属のゴブレットだった。

「では、この石にタオを流して下さい。いつも魔術を使うような感じで」

触れてみると、マーリンほどではないが石が輝いた。


「やはり…。」


トーマス先生の目が輝いた。


「え?」

「特待生枠を作ったのは、研究のためなんですよ!」


急に話始めた。


「特待生は妖精の歌を聞き分けるかどうかで決めましたが、やはり妖精を感ずることができるかということと魔力には相関関係があるようです!これから君達には協力を…」


急に後ろから袖を引っ張られ先生から離された。

ハルだった。

眼鏡で実際の表情は分からないが口は微笑んでいる…。

不自然で不気味だった。


「先生、図書館に行きたいので早く終わらせてください。」

「お、すまないね。デューク君も特待生だな、結果が楽しみだ。この石に触れてタオを流すんだ。魔術を使うようにね。」

「わかりました。」


ハルが触れると石は粉々になり消えていった。


俺も先生も唖然とした。


「あれ?あ、他のでも試してみますね!と、その前に先生なんか付いてます。」


ハルはそう言ってトーマス先生の眉間に触れると姿が消えた。他の学園では、測定器の石が粉々になって消えていったということで大きな騒ぎになりつつある。


な、なんなんだ


突然の事に口が閉じられない。

トーマス先生も動かない。

マーリンが肩に手を置くまで口そのままだった。



マーリンに肩を置かれ意識が返った。マーリンの表情はいつもは無味乾燥カラッカラッだが、今はジメッジメだった。

何があった?


「なあ、マルクス、い、石が消えたんだけど…」


俺の質問にマーリンは首を横に振った。

言えないということか…?


俺は取り敢えずマーリンの足が向かう先についていく。


「おい、マルクス。さっき言った意味ってなんなんだ?」

「…、ああ、あれか。まぁ大丈夫か」

「答えになってねぇよ。」


珍しく他人がいるのに口調を崩していた。

マーリンは俺を待っている時に用意したらしい、魔法陣を描いた紙を取り出し俺に渡す。


『これは頭の中の意識をエーテルを介して届ける魔法陣だ。』

『本当だ…。頭の中に声が響くな。お前、さっきの短時間でこれを作ったのか?』

『いや、姉さん達が教えてくれた』


『…で、さっき言った意味って?』

『モルガンとスコーラに繋がりがある可能性があると言っただろう?』

『ああ。』

『多分奴らが思っているほどお前の覆いは強固でないはずだ。あの石が輝くくらいだからな』

『なるほどな、強固でないとわかった途端、殺すかなんかで近づきそうだもんな。』

『ああ、それに妖精や精霊を感ずる能力と魔力との相関関係について知られるのもまずい。』

『どうして?』

『無い頭で少しは考えろ。スコーラは多分その情報をリタに売るだろう。リタは魔力が少ないからな。すると、奴隷市場活性化だ。アリビスが繁盛するだろうな。それに、モルガンも何とかして魔力の抽出方法について考えるだろうな。王位継承条件が妖精との仲の良さ、つまり魔力の強さだと知るわけなんだからな。』

『うわー。考えるだけでも嫌だわ…。』

『まぁ、その仮説は遠きに沈められたようだがな』

『?は?……………、もしかしてハルがなんかやったのか?』

『少しは頭があるんだな』


やった。褒められた。

今日二度目だ。


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