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8

誠は、遼哉んチに行き、インターホンを鳴らすが…。


留守だったので仕方がなく、帰ってくるのを待った。


ドアの前で。


「あれ?」


声に気付いた誠が振り向くとそこには紗佳と美咲がいた。


「紗佳も?」


「心配でね。いないの?」


「ああ。携帯通じなくて、ここに来たんだけどな」


「バイト先は?」


「さっき行ったんだけど休むって連絡あったみたいでいなかったぜ」


「そう…どこに行ったんだろうね」


「…あたしのせいかな?」


美咲がつぶやいた。


「気にすることはないよ」


背中をさすりながら励ます紗佳。


「何かあったのか?」


ダメもとで聞いてみる誠。


「実はね…理事長ともみ合ったらしく、美咲が暴れる遼哉を止めようとビンタしちゃってね」


「理事長?ヤッベェな…マジであいつ探さないと」


「なんで?」


「ワケは後で話す。遼哉の怪我は美咲センセじゃないよ。ビンタしたのは、左の頬でしょ?赤くなっていただけで口が切れていたのは右のほうだったよ」


そう言い、探しに行った。


「右?!理事長にやられたってこと?」


美咲が紗佳に聞く。


「かも知れないね。誠も理事長と聞いたとたん顔色変わったし…」


「うん…」


「とりあえず1回ウチに帰ろ。誠がきっと見つけてウチに連れてくると思うから」


紗佳は、ショックを受けてる美咲を連れて帰った。





数時間後、誠がウチに戻ってくる。


「いた?!」


紗佳が駆けつけながら聞いてくる。


首を横に振る誠。


その時、紗佳の携帯が鳴った。


「もしもし…」


『西崎紗佳さんですか?こちら、南警察署の者ですか…』


「はい。知り合いですが…はい…分かりました」


電話を切る紗佳。


「どうした?」


誠が聞いてくる。


「遼哉くんが警察に補導されたの。あたし、今から引き取りに行くから」


「警察?久々、ケンカでもしたな。うちに連れて帰ってくれ」


紗佳は出て行き、誠は見送った。


「警察署にいるの?遼哉くんは」


美咲が当然聞いてくる。


「らしい。とりあえず待ってみよう」


「なんで紗佳なの?」


「あれ?知らなかった?」


「何を?」


「あいつの保護者は、ばあちゃんだったよ。今は、いないけどな」


「ばあちゃん?他に身寄りはいなかったの?」


「そう!だから紗佳が知り合いってことになっているんだ」


「へぇ…」





その頃、遼哉は警察署で紗佳を待っていた。


紗佳が到着し、


「哀川遼哉は…」


「あっ、はい。こちらです」


遼哉の前に立つ紗佳。


怒っている紗佳を無視する遼哉。


「ご迷惑おかけしました…」


1人の刑事にお詫びする紗佳。


「最近、来なくなったなと思っていたのに…久々、現れましたね」


「もうさせません。すみませんでした」


頭を下げる紗佳。


そして、遼哉の腕を引っ張る。


紗佳の車に乗る2人。


「どうしてケンカしたのか話してもらいましょうか?」


「…」


「黙ってないで何か言ったら?美咲も誠も心配している」


「…」


「ウチに来なさい」


「ここでおろせ!」


「手当てもしないとね」


無理やり連れてく紗佳。


玄関のほうで物音がした。


「おっ、帰ってきた」


誠が美咲に言う。


紗佳が遼哉の腕を引っ張りながら部屋に上がる。


「おまえさ〜久々、ケンカしたな?すっきりしたやろ?」


「足りねぇ」


「もうケンカやめろよ」


「おまえが言うな」


機嫌悪そうな遼哉を見て誠は降参する。


「ここに座って」


紗佳がソファーの上をポンポンとたたいた。


座ろうとしない遼哉。


誠が無理やり遼哉の肩を上から押して座らせた。


「誠!そこのコンビ二まで一緒に行かない?」


紗佳が誠に目をパチパチしながら合図を送った。


状況を理解した誠は返事をした。


「手当てよろしく」


美咲に頼んで出て行った。

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