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7

「結局、泊まったの?」


紗佳が大声で聞いてきた。


「シッ!声、大きいよ」と紗佳の口をあおぐ美咲。


「あっゴメン。で、どうなったの?」


「何もなかったよ。別々で寝ただけ」


「えー!あの遼哉くんが何もしなかったってこと?」


「なんで?」


「ううん。なんでもないよ。行こっ!美咲」


2人は学校に向かった。




「ウッス!遼哉来てるゼ」


和成が誠に声をかけた。


「よっ!ホンマか?サンキュ」


誠は喜んでダッシュした。


「遼哉〜!」


「大声で呼ぶな」


誠は、遼哉を抱きついた。


「どけ!うっとしい!」


笑いながら暴れる遼哉。


誠は、すぐ遼哉から離れた。


「復活したな!美咲センセのパワーはすげ〜な!」


遼哉は誠の言ってることに疑問を持ち、


「てめぇ…たくらんだな」


「なんのこと?さっぱりわからん」


「美咲センセ、俺のところに行かせたのは!」


「元気になったんだからいいべ〜!で、泊まったんだろ?」


「ああ」


「寝たか?」


「は?別々の部屋で寝ただけ」


「遼ちゃん、寝てないの〜?」


「おまえな…つーか、知ってんだろ?俺から誘うことなんて今までなかったことを」


「確かに。みんな女のほうからだったもんな。でさ、おまえって美咲センセのことマジで好きなんだろ?」


「…バレバレか。気はあるが好きになれん」


「はぁ?!」


「おっ、高津来たゼ」


話を避ける遼哉。




「哀川、来てたのか?HR後、職員室に来い」


高津先生に言われる遼哉。


遼哉は、返事せず黙ってた。


「なあ、おまえばっか呼び出すよな?高津のやつ」


「誠より目つけられてるってことだな」


「1人で大丈夫か?俺もついて行こうか?」


「…目的は紗佳サンだろ?」


ゲラゲラ笑う誠と遼哉。


じゃあな、と遼哉は職員室に入った。


「来たな。哀川」


「用はなんだよ」


「教頭先生がお前に用があるみたいだ。さっそく行って来い」


ハッと顔を上げる遼哉。


そして、教頭先生のところに行き、


「哀川です。何か用ッスか?」


「私と一緒に来てください。理事長が呼んでいます」


理事長と聞いた遼哉は舌打ちした。


−あいつ…気付いたんだな?俺がここにいることに−


理事長室に入り、教頭先生はすぐ退室した。








数分後、理事長室から叫び声がした。


職員室まで響いたらしく気付いた教頭先生をはじめ、他の先生達が駆けつけた。


扉を開けると信じられない光景が…。


「哀川、何してるんだ?離れなさい」


教頭先生が怒鳴った。


遼哉が理事用の襟元をつかんで殴ろうとしていたのだ。


高津先生と近藤先生が遼哉を止める。


「離せ!殴ってやる!」


「やめなさい!哀川」


ずっと暴れている遼哉のもとに美咲が現れて


"バシッ"


遼哉の頬をビンタした。


周りがシーンとなった。


「哀川、退学だ!」


教頭先生が理事長を起こしながら大声で言った。


「ちょっと待ってください。処分はなしでいいです」


辛そうに起き上がる理事長。


2人の先生にはさまれた遼哉は、みんなの前で理事長に


「アンタが悪い!こっちから辞めてやる!こんな学校なんか」


そう言い、両腕をつかんでいた先生を振り払い、部屋から出て行った。


かばん取りに教室に戻る遼哉。


「遼哉…口のとこ切れてないか?」


誠が話しかけてきた。


「別に。俺、辞めるから!じゃあな」


帰っていった遼哉に疑問を持った誠は職員室に行き、


「高津!遼哉が辞めると言って帰ったんだけど何した?」


「授業中だぞ。戻れ」


「質問に答えろ!」


「早退しただけ。戻れ」


「早退?ウソだね。あいつ、口のとこ切れていたゼ」


それを聞いた美咲は、誠のほうを見た。


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