26
「今日限りでココ辞める」
退学願と書かれた封筒を神崎に投げ、職員室から出て行こうとする遼哉。
神崎は、遼哉の行動に気付いたのか、慌てて引き止める。
「離せよ!」
「待て!ここじゃ離せないんだろ?こっちに来い!」
「離せっていってんだろ!」
神崎を思い切り突き飛ばす遼哉。
"ゴン"
「理事長!」
「神崎理事長!」
「キャッ!」
「あっ理事長!血が…」
「救急車!早く」
棚の角にぶつけて倒れた神崎は、頭を抑えながら起き上がろうとする。
「起き上がらないで!理事長!」
周りにいた先生達が理事長のところに集まり、手当てし始める。
バタバタ騒いでいる先生達を見た遼哉は、こう言った。
「ついでに警察も呼べば?」
周りがシーンと静まる。
「理事長…遼哉くんがあんなこと言っていますが…」
「呼ぶ必要はない。救急車も。たいしたことない」
「でも…」
「呼ばないんだ?ばれたくないのか?俺にはもうとっくにばれているよ。
アンタの過去、全て知ってしまったんだ。アンタが犯したこともな」
そう言い、職員室から出て行く遼哉。
誠に一言言わなくちゃ…と思い携帯かけた。
「…もしもし、誠か?」
「ああ」
「俺、辞めたよ」
「そっか」
「美咲サンと紗佳サンから色々聞かれるかも知れない。迷惑かけるかも」
「気にしてねぇ。ウチに帰るんだろ?」
「…じゃあな」
「おいっ!」
+++
慌てて帰宅した美咲に続いて誠と紗佳もやってきた。
遼哉は、身の回りの整理をしていた。そんな姿を見た美咲は、
「学校のはなに?」
土足のまま上がりこんで聞いてきた。
「靴脱げよ!自分んチだろ?」
「いいから答えて」
「見たまんまだよ。神崎ともめて自主退学しただけ」
かばんに服を入れながらそう答える遼哉。
「ちょっと!」
遼哉の手元にあったかばんを取り上げる美咲。
「…んだよ」舌打ちしながら美咲からかばんを取り返す。
そして、黙ったまま部屋から出て行こうとする遼哉。
出て行こうとする遼哉の腕をつかんで引き止めて美咲は、こう言った。
「神崎理事長は、あなたの父なんでしょ?」




