22
手首の治療を終えた遼哉と美咲が病院を後にした。
2人のもとに紗佳と誠が車で迎えに来てくれたのだ。
「車があったほうがいいかなって思って迎えに来たよ」
「ありがと。紗佳。誠くんも」
「遼哉!大丈夫か?」
「…」
「何話しかけても黙ったままなの。今日、何かあったんだわ」
「…そっか。とりあえず様子見よう」
3人が話している間、遼哉はずっと無言で下を向いていた。
翌日、美咲に言われた遼哉は学校を欠席した。
「今日は、学校休んでウチにいなさいね」
「…」
「おとなしくよ。返事は?」
「…(コクン)」
「行ってくるね」
美咲はウチを出た。しばらくしてから、遼哉は美咲との約束を破って外出し、図書館にむかった。
過去の新聞を見るために。その後、叔父に会いに行った。
−事実が見つからない…神崎、本人に問い詰めたほうが早いのか…−
−神崎は、俺が本当のことを知らないと思っているようだし…ケガが治り次第、いや、治ってからじゃ遅いよな…今すぐでも問い詰めないと−
考え事をしている遼哉に携帯が鳴った。
「もしも…」
「どこにいるの?」
美咲の怒鳴り声が…。
時計を見ると美咲がもう帰っている時間だった。
−やっべぇな…まっどうでもいいや−
「今、自宅に向かっている」
「早く帰ってきなさいよ。怪我してるんだから!」
「うっせぇな」
「心配してるの!わかってんの?」
「わかってる!切るよ!」
遼哉から電話を切った。
次話更新は、1週間後です。(予定)