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「神崎…理事長は、俺の親父なんだ…おふくろを死なせたヤツなんだ…」


美咲を紗佳は絶句し、誠はやれやれとまいっている。


「俺、あいつに殺されるところだったんだ。おふくろは…俺をかばって死んだんだ。ばあちゃんが死ぬ寸前、語ってくれたんだ」


気がつけば遼哉の頬は、涙で濡れていた。


「おい!俺、初耳だぞ。おまえのおふくろが殺されていたこと」


誠が改めて聞く。


「これは、神崎と俺の問題だから言いたくなかったんだ…」


「…ばあちゃんが死んでからずっと1人で抱えていたとは…悪かったな」


誠が遼哉に謝る。


「だから、一緒に住めない…美咲センセ、ゴメン」


遼哉は、美咲に頭を下げて謝る。


「頭、上げて!それが理由でもあたしは遼哉くんと住みたい。ねぇ、住もうよ。おばあさまも喜んでいるはずだから。1人でいるより誰かと一緒にいたほうがねえ」


美咲が遼哉の両肩をポンポンと軽く叩きながらそう言った。


「そうしろ!」


「そうしなさい。今からでも」


誠と紗佳がそう言いながら遼哉に近づく。


3人に言われ続けて負けた遼哉は、渋々と承諾した。


そこから美咲との同棲が始まった。




   +++ 




遼哉は、誠の運転で自分のアパートに戻っていた。


荷物を運ぶためだ。といっても服ぐらいしかないが…。


「ここにある服、全部バックに入れといて」


指をさしながら誠に頼んだ。


遼哉は、ばあちゃんの物を整理していた。


その時、ある物を見つける。


−これ…日記だよな…ばあちゃんが書いていたのかな?つーか、何冊あんだよ!−


パラパラめくってみたら1枚の写真が落ちた。


−これ…若い頃のおふくろだよな?なぜ、これがはさんでいたんだ?あとでゆっくり読もっと−


落ちた写真を日記にはさみ、バックに入れた。


「おーい!こっちは終わったぞー!」


誠の呼び声に驚いた遼哉は、そう返事する。


「今、終わったとこ。これ、持っていってくれ」


「これもか?」


2つのバックをすでに持っていた誠が指をさした。


「うん。あっ…その前に俺を立ち上がらせてくれ」


自分自身、ケガしてたのを忘れる遼哉。


「んっとぉ〜」「おりゃ〜、サンキュ」


誠の手をかりて誠のかけ声で立ち上がった遼哉。


そして、アパートを後にした。

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