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マンションに戻った美咲は、自分の部屋で泣き崩れる。そして
携帯を取り出し、紗佳を呼び出す。
その頃、遼哉はその後、訪ねてきた神崎と話していた。
「おまえ、雨宮先生と付き合っているなんて知らなかったよ」
「言ってねえし。つーかなんの用だよ」
「わたしは理事長だ。立場っていうもんがある」
「何が言いてぇんだ?」
「今すぐでも別れなさい」
「イヤと言ったら?」
「別れる気がないんなら雨宮先生をクビするしかないね」
「本気でクビさせる気か?」
「ああ、そうだ」
「それだけはやめてくれ。美咲…雨宮センセは、小さい頃からの夢でようやく教師になれたんだ」
「ほぉ〜じゃ、おまえが留学するしかないな」
「…留学?」
「いずれここを継ぐんだ。だから経営を学んでもらわないと」
「跡継ぐ気はないってゆってんだろ!アンタの息子じゃねえんだ!」
「私の言うこと聞けないのか?だったら別れるしかないね」
「…別れない。反対されても」
「しょうがないな。高3の夏まで猶予をやる。つまり1年待ってやるってことだ」
「…1年?留学しても別れさせないでくれるよな?」
「おまえの態度次第だ」
「わかった。留学して跡を継ぐよ。アンタの息子として…」
「約束だぞ」
そう言い、部屋を後にする神崎。
−誠に相談したほうがいいいのか…つーか、あと1年かよ?ふざけんなよ!−
考え事をしていた時、携帯が鳴った。誠からだった。