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居酒屋「うみ」でいつものように働く遼哉。


「まだやってるかな?」


1人の客がそう言いながら店に入ってきた。


「いらっしゃい…何しにきたんだ?帰れ!」


神崎という理事長だった。


「お客として来たんだ。追い出すのか?」


ムッとした態度で案内する遼哉。


「カウンターでいい」


そう言われ、カウンターに座らせ注文をとる。


「何時に終わるんだ?話がある」


無視しながらビールを運ぶ遼哉。


「10分だけでいい。なぁ、頼む」


「仕事中なので今、さっさと用件を話してください」


「ここじゃまずい。店の外で待ってるから」


神崎は、ビール1杯だけ飲んでお金をおいて店から出て行った。


バイトを終え、店から出た遼哉は気付く。神崎の姿に。


「おつかれ」


「まだいたのか?…用件、さっさと言え」


その場でタバコを取り出し吸い始める遼哉。


「おまえ…まだ17歳なんだろ?タバコはやめなさい」


タバコを取り上げる神崎。そして


「哀川のままでいい。一緒に住まないか?今、1人なんだろ?」


「住むか、アンタと」


「どうしてもか?」


「ああ。俺はアンタを許すことなんてできないから」


「…あの時のことか?仕方がなかったんだ」


「用件はそれだけか?他にないなら帰る」


そう言い、遼哉は神崎から去り、


誠との約束を忘れて自分のアパートに帰った。


冷蔵庫を開け、冷やしたビールなどの酒を取って飲む遼哉。


空缶を壁に向けて投げて叫ぶ。


「ちくしょー!!!」と。


気が晴れない遼哉は、部屋から出て美咲の住むマンションに向かった。


部屋に着き、ドアを叩くが応答がなかった。


−いねぇのか…−


その場にしゃがむ遼哉。


数分後、美咲が帰って来てしゃがんで寝ている遼哉を見て


「遼哉くん?」


肩を揺らしながら声をかけた。


「んっ…あ!美咲ぃ〜」


「どうしたの?あっ…飲んだの?におうよ」


「エヘヘヘッ」


「どのぐらい飲んだの?まだ未成年でしょ?」


「みーさーきぃ」


美咲に抱きつく遼哉。


「キャッ!」


はずみで後ろに倒れる美咲。


「ちょっと…ねぇ、離して!部屋に入ろ?」


遼哉の背中を叩きながらそう言った。


そして、無理やり立ち上がらせようとする。


引っ張られた遼哉は、なんとか立ち上がり


美咲に抱きついたまま部屋に入る。


その後、キスし始めた。


最初は抵抗した美咲だったが、いつもと違うキスだと気付いてそのまま受け入れた。



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