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10

マンションに着き


「行けよ!美咲センセは部屋にいるから」


誠に言われる。


美咲の部屋の前に立ち、


インターホンを押すべきか押さないべきか悩む遼哉。


"ピンポ〜ン"


「どちらさま…」


ドアを開けた美咲が驚く。


「さっきは悪かった。それだけ言いたかったから。じゃ」


そう言い、去ろうとする遼哉。


「待って!上がって」


誘われ、部屋に上がり座り込む遼哉。


「はい…飲んで」


目の前に出されたコーヒーを飲む遼哉。


「…あたしもゴメンね」


「…いや、嬉しかったんだ…」


「えっ?!」


「…俺も……好きなんだ」


「何?」


「だから、俺も好きなんだって言ってんの」


そう言った遼哉は、いきなり美咲にキスをした。


−この感触…すげぇ最高!−


そっと美咲の唇から離れる遼哉。


「…ゴメン」


「ううん…もう遅いから泊まってく?」


美咲が遼哉の太ももを触りながら聞いてくる。


理性を抑えている遼哉。


「誠が、自分んチに戻らないで泊まれよ、美咲センセのところにって言われたんだけど迷惑なんだろ?誠のとこで泊まるよ」


美咲に遠慮する遼哉。


「いいよ。泊まっても」


ハッと顔を上げ、


「えっ?!美咲センセのとこでいいの?」


笑顔でうなづく美咲。


「サンキュ…俺、このソファーで寝るよ」


そう言い、さっそく横になる遼哉。


美咲は、あれ?と思いながら遼哉に毛布をかける。そして


「オヤスミ」






−うっ…くっ…やめろ!−


へんな夢を見て苦しんでいる遼哉の異変に気付いた美咲は


ソファーのとこに行き、声をかけた。


その声でカバッと起き上がり周りをキョロキョロする遼哉。


「どうしたの?汗…こんなにかいて」


遼哉の額に汗を拭きながら聞く美咲。


遼哉は、何も言わず美咲を抱きしめた。


美咲は、遼哉の頭を撫でながら大丈夫よ、と言いかけて


「遼哉くん、ベッドのほうが眠れると思うからベッドで寝よっ?」


「…一緒に寝ていい?手つないだまま」


「いいよ。立ち上がって…」





  +++




翌朝、太陽の光で目覚める遼哉。


隣を見たら美咲がいなくて、1枚のメモが置かれてあった。




  起こさないで行くね。サンドイッチ作ったから食べてね。  美咲



−今日…あっ学校か−


サンドイッチを食べて


「うんめぇ…」


その時、携帯がなった。誠からだった。


『泊まったか?』


「おまえがそうさせたんだろ!」


『ガハハハッ!で、なんで学校に来ねえんだ?』


「俺?辞めたよ」


『いや、退学処分になってねぇ』


「どーゆーことだ?」


『説明めんどいから来い。今すぐ』


そう言われ、電話を切られた。






遅れて登校する遼哉。


学校は、昨日のことは何もなかったようにしていた。


人がいないことを確認して理事長室に入る遼哉。


「遼哉か。昨日の件考えてくれたんだな?」


「俺は辞めると言ったはず。コレ、覚えてるよな?」


ペンダントを見せる遼哉。


「これを見て俺が誰だかわかったんだろ?」


「退学はさせないよ。わたしの息子なんだから」


「俺は、あんたの息子じゃない。神崎ではなく哀川だ。だから昨日の件は考える気ないね」


「ふっ…わたしのところに来る気ないんだね」


「ああ。だから俺のことはほっといてくれ」


「わかった。その前に今のアパートを引き払っていい所に越しなさい」


「うっせぇんだよ。ほっといてくれよ」


遼哉は、部屋から出て行った。


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