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作者: 十日兎月
掲載日:2013/06/08



 私は幼少時代、雨が好きだった。雨が降った後は大好きな泥んこ遊びが出来るので、晴れた日はいつも空を見上げながら雨を待ち望んでいたくらいである。無論泥遊びをした後は全身くまなく汚れてしまうので、母親はあまり良い顔をしなかったが。

 そんな私も、社会人となって一人暮らしをするようになった今では、すっかり雨が嫌いな人間になってしまった。別に雨そのものが嫌いになったワケではないのが、問題は雨が降った後なのだ。

 会社勤めなので夜遅くまで残業し、それと同時に家事までこなさければならない身なのだが、アパート暮らしの為夜中に洗濯機を動かすワケにもいかず、そうなると休日でしか洗濯できない時がままあったりする。しかしそんな日に雨に降られると部屋でしか干す事が出来ず、ワンルームの狭い場所に乾燥機を置けるスペースもあるワケもなく、どうしても生乾きになってしまう事がほとんどなのだ。

 ただでさえ溜め込んでいた衣服を全て洗濯に回したせいで着る物がなく、最悪同じ物を二度使う事もしばしば。そんな状態で外出する気も起きず、雨の日は一人部屋の中で引きこもるのが当たり前の生活になってしまった。

 幼少の時は自分の服など一切厭わず、泥だらけになりながらも無邪気に遊んでいたあの頃。あの時母親は苦笑いを浮かべつつも泥だらけの服を洗ってくれていたが、きっと今の私なんかよりずっと頭を悩ませながら洗濯に励んでいたのだろうと思う。

 雨の降った日は、あの時の母親の苦味走った笑みをたまに思い出したりしながら、きっとこれからも洗濯物に悪戦苦闘する日々を送るのだろう。





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