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三毛猫の三題話

「踊るいとこーず」

作者: 三毛猫

 昔からうちはお盆に母方の祖父母の家に帰る。今年も例年のように帰ると、先に帰っていたいとこの佐奈がテレビの前でアイスクリームを食べていた。

 あたしと佐奈は、血縁上は従姉妹なのだが、遺伝子上は姉妹に近いというちょっと変わった関係になる。あたしの父も母も一卵性の双子で、双子同士が結婚したのでこういうちょっと変わったことになってしまったのだ。

 お互いの歳も近く、名前もあたしが佳奈でいとこが佐奈、でなんだか姉妹っぽい。住んでいる場所が少し遠いので年に数回しか会えないのだが、メールや電話のやりとりはよくしているのであまり久しぶりに会ったという気がしない。

 佐奈に「や!」と片手を上げて挨拶したら、佐奈はテレビの方を向いたまま「よ!」とアイスを持った手を上げて答えた。

 何を夢中になって見ているのかと、佐奈の背中からテレビを覗き込むと、割と有名な双子のアイドルが綺麗に左右対称で踊っていた。

「よし! カナちゃん、踊ろう!」

「え、ちょっと」

 まだ荷物も下ろしていないのに、佐奈に引っ張られてテレビの前で無理やりポーズをとらされる。見よう見まねで、テレビの双子に合わせてて手や足を動かす。

 歌の最後にじゃーん、と佐奈と二人してポーズを決めて、さっと後ろを振り返ったら、あたしと佐奈の両親が同じようにポーズを決めていた。

「あんたら面白いネェ」

 あばあちゃんが、なんかニコニコしながらカメラのシャッターを押した。

 仲良く踊る「いとこーず」の後ろでぴったりそろって踊る双子の夫婦を想像してによによしてくださいというお話。

 おばあちゃんはおもしろ写真コンテストに写真を投稿して賞をもらったとか。

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