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大丈夫、春は来るから 受験劣等生の合格体験記  作者: たてのつくし


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3/10

頭がお花畑の現役時代

 さて私が入学したK高校は、とても穏やかな学校だった。ヤンキーなんか一人もいなかったし、新設校で、校長が自由な考えを持っていたために、校則も厳しくなかった。ただ、体育祭と学校祭を一年おきに交互に行うという点が、最大の難点だった(ちなみに、私は1、3年が体育祭、2年が学校祭。まさに母の望み通りだった)。


 もちろん、人間がたくさんいれば、多少の摩擦も起きたけれど、私は、中学以降、そういう諍いとは距離を置いていたので、退屈だけれど穏やかな毎日だった。そして、やはり私は全く勉強をしなかった。


 あの日、あんなに屈辱的な気持ちになったんだから、少しは勉強すればいいのに、そんな気は起きなかった。そもそも、小学校を卒業して以来、最低限の勉強すらしてこなかった私には、勉強をする習慣がついていなかったのだ。


 それでも、夕食後に勉強部屋に直行する掟は変わらず、寝るまでの時間、私は勉強机に向かわされていた。その時間、何をしていたのかと言えば、友達に借りた漫画をこっそり読み(我が家では、私のみ漫画は禁止だった)、交換日記を書き、それも終わると、トランプで恋占いをして過ごした。そうやって、毎日、膨大な時間を、ゴミ箱に捨てていた。


 そんな調子で時は過ぎ、私は高校三年生になった。大学受験を前にして、私には何の準備できていなかった。しかしなぜか、初めての大学受験を前にして、私は浮き浮きしていた。

 今年はどう考えても、どこにも受かる気がしないから、小手調べって事で、せめてもお弁当くらいは楽しくしよう。私は、自分でカツサンドを作り、甘い紅茶まで用意して、ピクニックの乗りで入学試験に出かけた。


 美味しいお弁当を携えて、ご機嫌で乗り込んだ入試だったが、まず、一時間目の英語で躓いた。まず、長文を読みこなせない。だって単語を知らないし、文法も分らないのだから。それでも英語はまだ、何かでっちあげられたけれど、数学に至っては、手も足も出なかった。


 これまでと異なり、大学入試は、英語百分とか数学二時間とか、一科目の試験時間がえらく長くなる。私のお粗末な集中力は、まずその試験時間が持たなかった。


 そんな訳で、初年度は何も出来ないまま、私は早々に浪人を決め込んだのだった。


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