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第1話 シルク村の日常

朝の光が、村の小道を柔らかく包む。石畳の間から小さな草花が顔を出し、木漏れ日は揺れる葉とともに踊っていた。シルク村の住人たちは、日々の営みを淡々と続ける。染色工房からは布を染める香りと笑い声が、鍛冶屋の炉の音と混ざり合う。子供たちは駆け回り、犬たちも嬉しそうに足元を飛び跳ねていた。


テラ・クロフトは木剣を背に背負い、小道を駆け抜ける。広場に差し掛かると、年老いた商人が手を振る。

「おはよう、テラ。今日も元気そうだな」

「おはようございます、リオさん。はい、今日も修行です」

「またあの子と競うつもりかい?」

「もちろんです!手加減はなしですからね」


その声に応えて、ペネロペが駆け寄る。淡い水色の髪が朝日に光る。

「負けないから覚悟してね、テラ!」

「ふふ、楽しみだな。でも油断するとすぐ追い抜かれるぞ」

二人のやり取りに、リアム・コリンが少し遅れて現れる。薄緑の髪を揺らし、手には短剣を模した木剣と弓を携えている。

「お二人とも、今日は本気か……僕も負けられないな」

「リアム、無理に合わせなくてもいいんだぞ?」

「いや、僕も頑張る。テラ先輩、手加減は……」

「だから手加減はなしだってば!」

リアムは少し困った顔をするが、三人の間に自然な笑いが生まれる。


三人は肩を並べ、稽古場へ向かう。村の中央を通ると、果物を運ぶ少年、牛を世話する老夫婦、広場で遊ぶ子供たち――日常の営みが広がる。争いも偏見もない、穏やかな時間が流れていた。


しかし、遠くの森の端では、まだ誰も気づかない影が息を潜めていた――。

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