フローラ
■ 本作について
本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。
■ 活用の具体的な範囲
自己規範にのっとり制作という一面はありつつも執筆であることは放棄しない方針です。
興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]
■公開済エピソートのプロットを公開中
「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。
https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/
■ AI活用の目的とスタンス
本作は 「AIをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。
ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。
また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。
「ほらほら、それで限界なのかい?」
「うぅ~、勇者さま。強すぎますー」
黒曜樫製のテーブルから、「ミシミシ」と悲鳴のような音が響く。
本来なら鉄にも匹敵する 堅牢さを誇る木材だ。
加工には魔力すら必要な、それほどの超硬木。
その上で、ふたりは向かい合っていた。
ハルトよりも頭ひとつ高い背丈と、丸みを帯びつつも隆起した筋肉を持つ少女。
女性らしさと力強さを併せ持つ体型に、よく馴染んだメイド服。
だが、引き締まった肢体を完全に包み隠すには、やや心許ない。
それでも、彼女の顔と表情には妙なおっとりした愛嬌があり、どこか幼さすら滲んでいた。
「もうすこし手加減してくれませんか~」
勇者専属メイド隊――ガーデンメイドのひとり、フローラは甘えるように懇願した。
それは、計算でも媚びでもない。
ただ、無邪気で素直な彼女の、ありのままの反応だった。
ハルトの人差し指を握りしめる彼女の手には、鋼鉄すら引き裂く、鋭い黒爪が覗いている。
「ははは。すまないなフローラ。僕は手加減が苦手なんだ」
ハルトは、爽やかに微笑んだ。
魔王軍においてもトップクラスの怪力を誇る彼女を、指一本でいなしているというのに。
「うー……私、力しか取り柄がないんですが……」
フローラは、恥ずかしそうに俯いた。
その額の中央には、雄々しく猛る一本角。剛力の証――オーガ族の生まれだ。
オーガは、戦いに生き、戦いに死ぬ種族。戦うことが喜びであり、存在の証明だった。
強き雄が雌を独占し、男は争い、女は家を守る。ひどく原始的な、誇り高い部族社会。
そんな中で、フローラは少し違っていた。
花を愛し、お菓子作りを趣味とする、穏やかな少女だった。
争いを好まず、ただ強き父のような雄に嫁ぐことを、密かに夢見ていた。
だが、彼女は“強すぎ”た。身長二メートル。
オーガ族としては小柄な方だが、その身に宿る腕力は、オーガ族の英雄バルモグに例えられた。
男尊女卑の風習が根強いオーガ社会では、雄よりも強い雌は、忌避される。
フローラ自身、それを十二分に理解していた。
だからこそ、父や仲間たちに恥をかかせぬよう、力を抑え続けた。
だが、その才は、彼女の意志すらもねじ伏せた。
オーガ族は長寿だが、成長速度は人間と変わらない。
これは早く戦場にでて長く戦うためだと言われている。
部族の戦士長を“うっかり”屠ったのは、十二歳の頃だった。
少女でありながら、すでに目を見張る美しさをフローラは持っていた。
その魅力に抗えなかった戦士長に、夜闇で襲われかけた。
わずか十歳そこそこで、初潮前の少女が、部族で二番目に強い男を討った。
事情が事情だけに、同族殺しは不問とされた。
だがフローラの夢。
“誰かに守られる、愛されるお嫁さんになる”という、ささやかな夢は潰えた。
なぜなら。部族一強い戦士は、彼女自身になってしまったからだ。
それ以来、父もフローラへの訓練をやめた。
己より強き娘を鍛える無意味さ。
そして、負けることを恐れた、哀しい“男の弱さ”。
フローラはすべてを知っていた。
だが彼女は父を責めることはなく、ただ、家を出た。
「力だけが取り柄? なにを言ってるんだい?」
ハルトは、変わらぬ優しさで微笑んだ。
そのまなざしは、まっすぐにフローラの目を見つめている。
「……!?」
余裕。手加減。
それは、これまでフローラ自身が、すべての雄に対して行ってきたものだった。
オーガ族の雌に対して“か弱い女扱い”をするなど、本来なら侮辱に値する。
だが不思議と――いや、フローラにとって、それは望んでいたことだった。
胸が、きゅっと高鳴る。
「ゆ、勇者さま……私……弱いですか?」
勇者ハルトの技能:解析はランクⅣ。
正確無比に、相手の能力を見抜く。
「……? いや、魔王軍の中ではかなりの上位だね。ただ、僕やフィデリアには遠く及ばないね――」
ハルトは、何の他意もなく答えた。
オーガ族についてまったく無知というわけではない。
本来なら、気を遣った言葉を選ぶべきかもしれないが、ハルトにそれはできない。
なぜなら彼はノンデリだから。
「……あわわ」
だが、その返答こそが、フローラの心を打った。
全力で押しても、微動だにしないハルトの腕。
彼女の“弱さ”を、確かに証明していた。
「――けれど、フローラ。キミは、こんなに可愛いじゃないか? 取り柄がないだなんて、そんなこと――」
ハルトは、歯の浮くような台詞を、さらりと言える男だ。
なぜなら勇者だから。
「はわわわわ!」
顔を真っ赤にして、フローラは大慌てでうつむいた。
「どうしたんだい? 顔が真っ赤だぞ?」
ハルトはにっと屈託なく微笑んだ。
彼にはそれが許される。
なぜならイケメンだから。
「か、かわいいだなんて……わ、私……メイドのお仕事もドジってばっかりだし……」
フローラは、しゅんとうなだれた。
スラリとしなやかながら、メリハリのある女体。
そこにアンバランスに乗った童顔。
そのすべてが、やけに馴染んでいるメイド服。妙に愛嬌があった。
「この間は、うっかり花瓶を四つ割っちゃいました……それから、ガラス戸を七枚。ついでに、床も三枚、踏み抜いちゃいましたし……」
か細い声で、次々と告白される“戦果”。
そのたびに、彼女の肩はさらにちいさく縮こまっていく。
そもそも、今日は“夜伽”のために二人きりになったはずだった。
なのに、なぜいま、腕相撲をしているのか。
ハルトとフローラの“夜伽”は、これで三度目だったがこれまでの流れはこうだ。
一度目はフローラが緊張しすぎて、“城門”が開かなかった。
詩的な表現では解りにくいかもしれない、だから、端的に言うと“挿入”できなかった。
二度目は苦労の末、勇者による“城攻め”は成功した。
そして、三度目の今日は、最初から緊張をほぐすために、こうして“力比べ”をしている。
「勇者さまには敵いませんけど……やっぱり、私には力しかないですし……しかも、上手く制御もできないし……」
ハルトは考えた。
自分よりも力が弱いと慰めるだけでは、きっと彼女の心には届かない。
ありのままを“肯定”する、それこそが、いま必要なのだと。
「フローラ」
ハルトは組んだ腕越しに、まっすぐフローラを見つめた。
「でも、キミの“アソコ”の“締り”は一番だよ……僕も、アレには本気で耐えられなかったくらいなんだから――」
にっこりと悪意なく微笑むハルト。
だが、さすがにこの発言は、勇者であろうが、イケメンであろうが許されない。
「もうっ! 勇者さま、恥ずかしいです!!」
フローラの顔が一瞬で真っ赤に染まり、爆発するように叫んだ。
同時に彼女の全身の筋肉が隆起し、熱を帯びた。
天性のバネから繰り出される瞬発力が、二の腕を通し、ハルトへと流れこむ。
「おっとぉ!?」
巨岩すら粉砕するその力を、ハルトは正面から受け止めた。
純粋な力と力のぶつかり合い。
その衝撃は、黒曜樫製のテーブルにダイレクトに伝わった。
メキィ! バコン!
完全オーダーメイドの一点物。
ちいさな家一軒と同じ値段がするその家具は、無惨にも音を立てて割れた。
「ひぃああああっ!!」
フローラは顔面蒼白で悲鳴を上げた。
ハルトは、割れたテーブルを前に、額に手を当てた。
苦笑まじりに、ちいさく呟く。
「……これは、ミナに怒られるやつだな……」
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