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魔王さまはナイスバディ②

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

自己規範にのっとり制作という一面はありつつも執筆であることは放棄しない方針です。

興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]

■公開済エピソートのプロットを公開中

「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。

https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「AIをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

「そもそもの話をさせていただきたいのですが――」


 ミナが、場を引き締めるように口を開いた。


「……勇者さま。魔王さまのバストサイズを尋ねるなんて、いくらご夫婦とはいえ、場をわきまえるべきです。そういうことは……ふたりきりの時にどうぞ」

「ミナ、知っているだろう? 僕はフィデリアの夫だが、ふたりきりになることなんてないぞ?」


 それは事実だった。

 フィデリアには、ひとつ決めていることがある。

 夫であるハルトが、自らを超えるまで「決して交わらぬ」と。

 同時に彼女は、自身の絶対的な魅力も理解していた。

 だからこそ、ふたりきりになる状況そのものを避けていたのだ。


「ハルト。貴様を無闇にムラムラさせて、押し倒されでもしたら(かな)わぬからな。わらわを超えるまでとは言うてあるが、愛する夫に押し倒されでもしてみろ? わらわも心が揺らぐというもの……わらわとて、つらいのだ」

「押し倒さないよ!」

「ほう? このわらわの姿を見ても、そう言い切れるのか?」


 フィデリアは、ゆっくりと立ち上がった。

 肩に掛けていたマントを片手で掴み、勢いよく後方へと払う。

 ぶわり、と宙を舞う黒い布。

 その一振りすら、魔王の威厳が満ちていた。


 束の間――玉座の間にいた全員の息が止まった。

 黒を基調とした戦闘装束は、深く切り込まれたハイレグ型。

 すらりと伸びた腰から太ももにかけてのラインが、余すことなく露わになる。

 張りのある尻は、明らかに圧倒的な質量を秘めている、だが重さを感じさせない。

 驚くほど引き締まった腰回りとの対比が、むしろその肉感を際立たせていた。


 そして、背を反らすように胸を張ったその姿。

 装束の上からでも明確に伝わる、視線を釘付けにするほどの膨らみ。

 “巨乳”という言葉では追いつかない。

 それほどの存在感をもって、なお、彼女の体はスレンダーに見えた。

 極限まで磨き上げられた曲線美と、肉体の引き締まり。

 その相反する要素が、奇跡のような造形で、完璧に同居していた。


「ミナ」

「はっ!」

「わらわを数値で推し計るなど酔狂だが、他ならぬハルトの頼みだ。言うてみい」

「はっ。魔王さまのご衣装は、本国より取り寄せた特注品――その寸法はミリ単位で把握しております。スリーサイズは、上からB102・W56・H92。引き締まった腰に、圧倒的な胸と尻。まさに、神造のプロポーションにございます」

「デカっ! ほそっ! デカっ!」

「しかし、未完……さらに成長中でございます」


 ハルトはその補足を聞いていなかった。

 あまりの情報量に、思考が一時停止していたのだ。

 齢数百歳――魔王フィデリアはいまだ“未成年”。

 だが、この件について深く掘るのは、また別の機会にしよう。


「どうだハルト。我が夫よ。この姿を見ても、ムラムラしないと?」


 ムラムラしないわけがなかった。

 勇者ハルトと魔王フィデリアは、創造神の前で契りを交わした正真正銘の夫婦である。

 契約上、何の障害も存在しない。

 ただひとつ、魔王が自らに課した制約「己よりも強き者の“種”しか受けぬ」という信条を除いては。


 ハルトとしては「避妊すればいいのでは?」……と思っている。

 だが、なぜかその一言を、これまで口にできなかった。

 だから、四六時中ムラムラしている。

 メイド隊の相手をしていることで、かろうじて理性を保っているに過ぎない。

 もしそれがなければ、とっくに手を出していたかもしれない――というより、出さなければ不自然とすら思えるほどだった。

 彼にとって、フィデリアはこの世で最も美しく、最も魅力的な愛する伴侶なのだから。


「ムラムラしないっ!」


 叫んだのは、彼なりの矜持(プライド)……そして、意地だった。


「ほう……?」


 魔王が目を細め、低く(つぶや)いた。

 その声音には、明らかに何かを見透かす気配がある。

 ハルトの強がりが、透けて見えているのだろう。

 眉の上にある一対の魔眼が、わずかに開いたように見えた。


「ならば……触ってみるか?」


 思いがけない言葉だった。


「えっ?」


 ハルトが目をまたたかせる。

 それはミナにとっても、意外な一言だった。


「……魔王さま?」

「なんだ、貴様ら。そんな不思議そうな顔をして。わらわとハルトは、れっきとした夫婦だぞ? 何の問題もなかろう?」


 その問いに、ミナがすこしだけ言葉を詰まらせた。


「そ、それは……そうですが……」

「触るって、どこを?」


 ハルト自身、間抜けな質問だと分かっていた。

 だが、実際のところ、ふたりの関係は形式だけ――手と手を触れ合う程度のスキンシップはあっても、婚姻の場でのキス以降、それ以上はなかった。

 フィデリアは静かに、しかしはっきりと口にした。


「この身に馬の骨が触れたなら、その場で(ちり)にしてやる。……だが、貴様は夫なのだ。わらわのすべては、貴様のもの。どこでも、好きに触れるがよい」

「どこでも……いいの!?」


 ハルトの心が揺れた。このチャンスを逃す手はない。

 たとえ百人のメイドたちが見ていたとしても、関係ない。

 魔王自らが、フィデリア自身が、言ったのだ。「おまえのものだ」と。


 彼は、玉座の前へと足を運ぶ。

 そこに待っていたのは、一メートルを超える、双の巨峰。

 その存在感に、思わず息を()んだ。

 誰も触れたことのない未踏の房。

 ゆっくりと、ほんとうに、ゆっくりと……ハルトは両手を持ち上げた。


「ただし……ムラムラせぬように」


 まるで当然の条件のように、魔王は言い放った。

 その声音は淡々としているのに、妙に重みがある。


「なんだってぇ!?」


 ハルトは叫び、思わず声が裏返った。


「貴様が“しない”と言うたのだろう?」


 フィデリアは静かに、しかし確実に追い詰めてくる。

 その口元には、わずかな笑みが浮かんでいた。

 たしかにそういう“流れ”だった、理屈としても間違っていない。

 しかし、もう彼はあとには引けなかった。


「ムラムラしない! だから触らせてくれ!」


 そう言い切ったハルト。

 だがムラムラしない自信など、あるはずもなかった。

 というか、もうしていた。完全に手遅れである。

 そもそも、フィデリアの言う“ムラムラ”の定義が、よくわからなかった。

 けれど、構わない。わからなくても、触ってしまえ。

 彼は、それくらいの勢いだった。

 だが、思い通りにはいかない。


「魔王さま。勇者さまが、よからぬことを考えぬよう……きちんと観測しては、いかがでしょうか?」


 ミナの提案に、フィデリアが(うなず)く。


「ふむ……たしかにな。よきにはからえ」

「はっ。ネメラっ! 勇者さまがムラムラしていないか、チェックせよ!」

「えっ!? わたしですか!? チェック……チェック……あっ、なるほど。わかりました!」


 ネメラは手のひらをポンッと打ち合わせると、そのままハルトの背後に回り込んだ。


「勇者くん! 失礼しますっ!」

「えっ……? うわ、おいネメラ!? ちょ、なにして――」


 ネメラが、ハルトに後ろからぴったり抱きついた。

 両腕は前に回され、ハルトの股間をそっと、しかし確実に押さえていた。


「ミナさま! 勇者くんがムラムラしたら、すぐにわかります!」

「おい待て!? ムラムラって、そういう意味だったのかよ!?」


 ハルトの絶叫が、玉座の間に響き渡る。

 だが、それ以外にどう定義しろというのか。


「魔王さま、準備整いました」


 ミナが背筋を正し、恭しく報告する。


「うむ……さぁ、ハルト。ムラムラせぬ自信があるのならば――存分に触るがよい」


 その瞬間だった。


「あれぇ!? たってます! たってます! 勇者くん、ムラムラしちゃってます!」


 ネメラの無邪気な声が、場を切り裂く。


「勇者さま……」


 ミナが冷ややかな声で(つぶや)く。


「ハルト。貴様……」


 フィデリアの声は低く、静かに響いた。


「違う! 違うんだ! 聞いてくれ!」


 ハルトは必死に言葉を繋いだ。

 だが、その必死さが逆に滑稽だった。


「ネメラが、後ろから抱きついてるんだよ! しかも――」


 そこで、ハルトの言葉が一瞬詰まる。

 ネメラの体は冷たい。

 それはリッチであるがゆえの、生者とは違う肉体の感触だ。

 だが、彼女の吐息は不思議なほど温かく、(ほほ)をかすめるたび、生々しい感触を残していく。


「しかも胸が……胸が当たってて……! 股間も触られてるんだぞ!? それはズルいだろ!」


 言い訳にもならない叫びだった。



  *



「すまない……やっと収まった」


 勇者ハルトの“ナニ”待ちに、五分を要した。


 本来なら一発退場だったが、彼の土下座に近い懇願によって、もうワンチャンが与えられた。


「さて、どうするか……」


 フィデリアがちいさく(つぶや)いた。

 その声には、魔王としての判断を下す前の“間”があった。

 ほんの一瞬。けれど、その静寂が空気を引き締める。

 やがて、決意を帯びた声が続く。


「しかたあるまい。本来、このような使い方はせぬのだが……愛する夫のためだ」


 フィデリアが静かにそう告げる。

 その言葉と同時に彼女の額、眉の上に並ぶもう一対の瞳が、静かに開かれた。


 魔眼――すべてを見通す“王の眼”。


「おお、魔王さまが魔眼を開かれた……」

「なんと偉大で……お美しい……(うっとり)」

「わ、私……はじめて見ました……もう死んでもいい……(感激)」


 玉座の間が、静かなどよめきに包まれる。

 フィデリアが魔眼を開くことは、極めて(まれ)だった。

 “見えなくてよいものまで、見えてしまう”それが理由のひとつである。

 そして、敵対者にとっては“二度と見ることができない”という意味もある。

 この眼を一度でも見た時点で、命は尽きると言われているのだ。

 側近であるミナでさえ、見たのは片手で数えるほど。

 ハルトを含め、この場にいる者のほとんどが、初見だった。


 ふたつの目に、さらにもう一対の瞳が加わる。

 四つ目の魔王――だというのに。

 ハルトは、思った。“美しい”と。神々しさと威厳。

 どこまでも冷たく、どこまでも優しい眼差し。

 たとえ“すべてを見られてしまう”のだとしても、彼はこの瞳に抗いがたい魅力を感じていた。


「美しいな、我が妻よ……ところで、その“眼”で何を視る気なんだい?」


 ハルトの問いかけに、フィデリアは四つの瞳を細めた。

 そして、ふわりと笑みを浮かべる。


「決まっておろう?」


 その声音は、どこまでも優しく。しかし、容赦がなかった。


「ハルト。貴様がムラムラしていないか……わらわ自ら、確かめるのだ。この眼に誤魔化しは効かぬぞ?」


 匂いも、音も、わずかな肉体の反応も――そして、その奥にある心までも。

 魔眼は、目に見えるものだけでなく、あらゆる現象を観測し、すべてを“視る”ことができる。


「ええっ!? 本気かい!?」


 ハルトが思わず声を上げる。


 それを受けてメイド隊から賞賛の声が次々と上がる。


「魔王さま、流石です」

「観念してください……勇者さま」

「流石です(うっとり)」

「ちょっと待って!? 僕の股間を視るって言ってるんだぞ!? どこに“流石”の要素があるんだよ!?」


 ツッコミを入れるハルトの声が、玉座の間に響いた。

 だが、誰も反応しない。

 返ってくるのは、微笑みを浮かべたままのメイドたちの静かな視線。

 その中には、冷静に観測体勢を整えているミナもいる。

 真正面には四つの眼を光らせて立つ、魔王フィデリアの姿もある。


 そして、彼女のプロポーション。

 黒く切り込まれた装束の奥で揺れる、奇跡の肉体。

 目を背けたくても、視界の隅から逃れない。

 まるで、世界の理をそのまま形にしたかのようだった。

 理性も誇りも、すべてが(かす)んでいく。

 すべてを凌駕(りょうが)する、普遍的価値観であり、絶対真理「おっぱいでかすぎる」――すでに勝負はついていたのだ。


「無理だフィデリアっ! ムラムラしてしまう!! 愛するキミを目の前にして、耐えられる訳がない!!」


 ハルトは叫んだ。

 子供のような悲鳴をあげながら、玉座の間を駆け抜ける。


 勇者は逃げ出した。


 その足音が遠ざかり――やがて、静寂が訪れた。


 パチ……パチ……パチ――


 最初の拍手が、誰からだったのかはわからない。

 だがすぐに、それは波となって広がった。

 百人のメイドたちによる、さざめきのような拍手が、玉座の間に満ちていく。


「流石です……」

「流石、魔王さま……」

「あのドスケベ勇者に触れさせることもなく……(尊敬)」


 パチパチパチ――


 その称賛は、しばらく鳴りやまなかった。

 玉座の間には、どこか宗教的ですらある熱気が漂っていた。

 その中心で、フィデリアは静かに四つの眼を閉じる。

 彼女はどこまでも堂々としていた。賛美も崇拝も、あって当然のもの――特別なことではない。


 だが、その光景をひとり、離れた場所から見つめる影があった。

 細く開いた玉座の間の装飾窓。そこから身を乗り出すようにして中を覗き込んでいる。

 金髪のツインテールが風に揺れる。

 その少女は、深くため息をつき、ぽつりと(つぶ)いた。


「……なによ、これ……こわっ」


 アリシア・ド・ベルモンド。

 元ヴェルシュタイン公国の勇者にして、勝ち気でツンツン気味の“侵入者”。

 この異常な空気にツッコミを入れる、たったひとりの常識人。

 彼女は静かに、その場を後にした。

最後までお付き合いいただき、感謝です!


「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!


今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

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