二百文字小説『酔っ払いに優しい人』
電車に年老いた酔っ払いが乗ってきた。
誰彼かまわず話しかけていて、うるさい。
隣に座っていた若い女は酔っ払いに話しかけられると、急いで電車を下りた。
次に座った中年男にも、酔っ払いは話しかけた。
「あんた酔っているね。まあ、そんな時もあるだろうね」
中年男は、やけに親身に酔っ払いの話を聴いていた。
先に酔っ払いが下車し、次の駅で私と中年男が下りた。
私は、小さな感動をおぼえつつ、中年男と並び歩いた。
酒臭かった。
他の方の二百文字小説を読んで、面白そうなので手を出してみました。いやぁ、酔っ払いは勘弁して欲しいです。