第1話 闇の研究所
数ある中から開いてくださりありがとうございます。
お楽しみ頂ければ幸いです。
「………いただきます」
私はこの世界で唯一の人間だ。
いや、人間というよりはエルフと言った方が良いのだろうか、
まぁとにかく、この世界で死ぬ事が出来るのは私のみと言う事。
そんな事を考えながら1人寂しく朝食を食べる
今日の朝ご飯は今朝採れたばかりの新鮮な野菜を沢山使っている''栄養満点野菜ソテー''と果物
お肉は食べられない、なぜなら牛も豚も鶏も居ないからだ。
「……やっぱり1人で食べるのは寂しいなぁ」
''寂しい''この言葉は今の世界になってから私が1番使う言葉だ。
人が沢山居た頃は、寂しさなんか1つも感じなかった
常に周りに人が居り、いつも愛されているのが普通だったからだ
でも今は違う、その普通をもう2度と体験出来ない
当たり前は失ってから気付く、そして後悔も…
「……(マラーラどこに行ったんだろう)」
マラーラとは、私が13596回ロボット作りをし、18番目に成功したロボット
見た目は可愛らしく猫耳の人間に似た女の子で、性格はしっかり者である
私はそんなマラーラの事が大好きだ
でもこれは一方的な愛なのだろう、相手はロボットだ
私がどんなに家族のように接し愛しても、ロボット達は一度も愛を返してくれた事がない
正直悲しくなる事がある…
だが、それは分かりきった上で私は作ったのだ
少しでも死ねる時まで寂しさをなくせる様に…
「……ご馳走様」
私は15分の時をかけて朝食を食べ終えた
次にやる事はなにか…?そう、愛しのロボットちゃん達との触れ合いだ!!
皿洗いなんて、全自動皿洗いロボット・サララに任せれば良い!
「私が今するべき事は、ロボットとの触れ合い!コミュニケーション!!」
そう言うと、メリューナ(主人公)はロボット達が集う''庭''へと向かった。
「ふんふ〜ん♪みんな元気かなぁ?3日ぶりに会うから、ちょっと緊張する…」
お分かりの通り、メリューナはかなりの変わり者だ
ロボットへの愛が強く、よくナンパしている
「今日もツヤツヤで可愛いね!」とか「私と一緒にネジ食べない?」とか…
他にも沢山あるがあり過ぎて書ききれないので省かせてもらう。
「……あ、ここ3ヶ月前に治したばっかなのに…」
メリューナが立ち止まり目をやった物は、100年前に人間が作った''研究所''だった
その研究所は、当時人間の人体実験を行っており様々な犠牲者を出した闇の研究所…
なぜそんな研究所を修理しているのかと言うと、ただ単にメリューナは人が作った歴史を残したいから
え?なぜって?それは…''滅びた星に人間が居た事を宇宙人に知って欲しい''からだ
少々笑える理由な気もするが…いずれ分かる、彼女の理由がただ馬鹿が考えた理由ではないと…
「……う〜ん、困るなぁ、もうちょっと君、根性が無いと…生き残れないよ?」
無機物に向かって説教をする
この光景は一体なんと言えば良いのだろうか
「……しょうがない、ロボットちゃん達に会う前に君を修理してあげるよ!」
変人は建物に向かって指を差しながら、得意げそうにそう言った
「…ちょっと待っててねぇ〜、2日でまた美しい姿に戻してあげるから…」
〜2日後〜
「はぁ〜疲れたぁ〜、、」
どうやら修理し終えたようだ。
ボロボロな見た目からとても綺麗な見た目へと変わった建物
これを見るにメリューナの腕はプロ級なのがよく分かる
「やっぱ…いい出来だよ…」
「………」
「……なんだか…眠く…なって…きた」
大の字になってしばらくした後に、メリューナは深い眠りへとついてしまった…
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