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聖女ですわ!! 1-5


「では改めて自己紹介といきましょう」

「俺はジャック、剣士だ」

「俺、ダリオ、魔法使い」

「私はジャクリーヌ、見ての通りの聖女ですわ」

「知ってるよ」

「まぁ! ご存知だったのね!」

「そりゃな」

「酒場にいる全員知ってると思う」


 まぁなんてこと! 私、有名人ですわぁ! お父様とお母様もきっと今頃は私の活躍を聞いて泣いていますわね。

 おーほほほほほほほほほ!! おーほほほほほほほほほほほほほ!!


 お父様お母様、お元気ですか? なんとこの度わたくしは婚約を結ぶ前に婚約を破棄された上に国外追放されましたのよ!教会に保護されて、さらにギルドで冒険者を護衛として雇ったのでこれから旅立ちます。

 わっくわくですわ!

 お父様お母様もきっと今頃は私を心配していると思いますが、必ず生きて再びお会いいたします。


「問題は王子が派兵した兵だな、王族の命令で動くから容赦ねぇぞ」

「もうあれっすよ、ギルド統括に助け求めるか、教会でイネス様にお祈りした方が早いんじゃ?」

「ばか、嬉々として助けに来て問題大きくなるのが目に見えてるだろうが!」

「それもそうですね、下手したらこの国無くなりますねー、居心地はいいから被害は小さい方がいっかー」


 確かに、あのお方ならこれ幸いと国の中心に突撃してそこでぺかぁっとやる可能性はありますわね。

 ですがそんなことをすれば国が丸ごとあの方に魅了され、運営が怪しくなってしまいわすわね。

 それはいけませんわ。

 私は人を助けるために聖女になったのですから、混乱を広げるのは本意ではありません。


「手出しをさせないためにも、このお嬢さんを速やかに、傷一つ、それでこそ言葉の暴力さえ届かないように送り届ける必要がある」

「はいです!」

「お前なんでいきなり返答可愛くなってんだ――うわぁぁあ!!」

「ちょっと聖騎士の兄さん、跪いてないで止めて!」

「ぺかぁっとしますか、ぺかぁっと!」

「あらイネス様だめですよ、はい串焼きあーん」

「あーん」


 悲鳴を上げるのも仕方がないですわね、この金色に淡く輝く喋る仔豹こそ私が信仰する神、イネス様ですわ。

 ああ相変わらず愛らしさが天元突破しておりますわね。

 神々しいですわ。

 可愛いですわ。

 お美しいですわ。

 最高ですわ。

 脳内でイネス様を称えていたら、イネス様の肉球が私の頬にぷにょんと。

 至福ですわぁぁぁあ!! 護衛のお二人が串焼きを片手に呆れた顔をしていますわね。


「なぁもう危険な旅に出る必要なくねぇ?」

「俺もそう思ったところっす」

「旅します! 魔物をばーんして、捌いて、野営で食べます!」

「イネス様はキャンプ大好きですものね」

「はい!」

「そこの教会から派遣された聖騎士様! 顔を上げて事態収拾してくれよ!」

「ツッコミが追い付かない!」


 賑やかな道中になりそうですわね。


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