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人相の悪い三人組 1-4

「では皆さん、こちらへどうぞ」


 ギルド内の一室に案内された俺たちは、そこで講師が来るのを待つことになった。

 どうやら講習を受けるのは俺たちだけではないらしく、他にも数人いたけど、誰もが若い、だいたい兄ちゃんぐらいの奴らばかりだ。


「楽しみだな!」

「どんな講義だろうな!」

「お菓子出るかな?」


 俺たちはウキウキしながら待っている。

 だっておやつがもらえるんだもん。

 仕方ないよね。


「……」


 シオンさんは黙ったままだ。

 きっと俺たちが騒いでいるから呆れてるんだと思う。

 はしゃぎすぎちゃったかな。


「……静かにしてください」

「「「はい」」」


 シオンさんの静かな怒りが伝わってきたので、俺たちは大人しくすることにした。


「お待たせしました」


 しばらくすると、部屋に一人の男が入ってきた。

 どう見ても冒険者じゃない。

 おそらく商人か何かだと思う。

 だって格好が冒険者っぽくないから。


「はじめまして。私は今回の講習会の講師を務める、ドノバンといいます」


 そう言って彼は名乗ってきた。

 そして簡単な自己紹介の後で今日の予定についての説明が始まった。


「さて、早速ですが始めていきましょう。今日は護衛の基本について学んでもらいます」


 基本か。

 一体何を教えてくれるのか楽しみだ。


「今日は護衛としての心構えについてです。護衛というものは常に危険が付きまといます。そのため常に周囲に気を配り、警戒を怠らないことが大切です」


 その通りだ。

 俺らは護衛初心者だが、冒険者として最低限の心得はあるつもりだ。

 それこそ護衛依頼を受けられる程度にね。


「では、実際に護衛の仕事に就いたつもりで、私が言うように行動してみましょう」


 そう言った後、彼は俺たち一人ひとりを呼んで注意点を指摘していった。


「……ガンド君、君は少し落ち着きがないですね。もう少し周囲を警戒してください」

「わかった!」

「ベルナデットさん、君はもっと周りを見るべきですね。油断していると思わぬ事故が起きてしまいますよ」

「はい、すみません」

「ゴラン君、君の体格なら相手は萎縮してしまいます。威嚇するのではなく安心感を与えるよう心掛けなさい」

「了解ッス」

「最後にシオン君、君は隙がありすぎる。もし相手が襲ってこようとした時、無防備でいると殺されても文句は言えませんよ」

「はい、以後気を付けます!」

「……はい、結構。これで本日の講習は終了となります。ご苦労様でした」


 ふぅ、ようやく終わったぜ。

 疲れたけど充実した時間だったな。


「ありがとうございます!」

「「「ありがとーございました!」」」


 講習が終わったらおやつタイムだ! おやつはどこにあるのかな?


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