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吾輩は傭兵である 1-8


 リーダーはその場で武装解除をすると、仲間にそれを預けて一人集落へと歩いていく。

 死ぬ気かよ!!


「こんにちは、我々は冒険者のチームです。緊急依頼により討伐隊としてやってきました。責任者の方とお話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」

「ブモォオオオ!」


 リーダーの呼びかけに対して返ってきたのは雄叫び、戦闘開始かと思いきや、一回り体のでかいオークが現れた。


「オマエ、冒険者?」

「ええ、そうですよ。貴方がここのリーダーですかな?」

「おれ偉い、一番」

「そうですか、それは話が早い。近くの村からオークの討伐依頼が出されました」


 え、なんで魔物に丁寧に説明してるの!?

 ゴブリンみたいに力押ししなくていいんですか??


「オーク……おれたち? 何もシテナイ」

「何故こんなところに集落を作ったのですか? 」

「温泉出る。隠れ宿」

「……少々お待ちを。ボス!」

「はぁい」


 リーダーが片手を挙げて合図をすると、きゃるんという擬音が聞こえてきそうな受付君が草むらから飛び出し、オークとリーダーに近づいて行った。


「隠れ宿風の温泉施設を守っているそうです」

「統括かよ!!」


 受付君が持っていたナックルを地面に叩きつけた。とても怒っております。


「地面掘ったらお湯出た。俺ら管理人」

「ボス、どうします?」

「どうもこうもない、統括が絡んでいる時点で手出し無用。最悪村の人間を移動させればいい」

「分かりました」

「あのー」


 吾輩たちは完全に空気になっていた。

 もしかして今回も不戦で終わるのだろうか、吾輩、実績積めない。

 戦闘放棄の合図に先輩たちがゾロゾロと物陰から出ていくので、吾輩も続いた。


「なにこれかわいい!!」

「ふぇぇぇ!!」

「可愛いわね! 名前はあるの?」


 受付君がオークと話し合いをした結果、この集落は討伐非対象だと結論が出たようです。

 肉を期待していた先輩たちがブーイングをしている。


 なお、女性冒険者は小さくてぬいぐるみのような子供のオークにメロメロ、困惑する子オークを撫でまわして幸せそうだ。


「肉ならある」

「あるのか!?」

「ここ宿、金があるなら利用できる」

「ボス!」

「これは偵察、いえ視察……名目は後から考えよう、手ぶらで帰ってたまるか!温泉はいるぞ!利用費用はギルドに請求する!」

「「うおおお!!」」


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