表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/90

夢の異世界転生 1-7


 1年ほどたっただろうか、季節の移り変わりも分からないダンジョン暮らしなので正確な日付は不明だが、たぶんそれくらいたったと思う。

 俺はいつものように掃除を終え、報告をするためにボス部屋へと入室した。


「おっと戦闘中だった」


 ここはダンジョン、そして王様はフロアボス、たまにこうして戦闘中なことがある。

 戦いに参加する先輩達は張り切って王様を守り、守られている王様は偉そうにふんぞり返って王座に座っている。だが俺たちは知っているんだ。王様が実はハラハラしながら戦いを見守っていることを。

 ああやってふんぞり返っているのも演出の一環らしい。


「……おや?」


 床に違和感を感じ、よく見ると僅かに光っている。

 なんだこれ、魔法陣っぽい。


「カタカター」

「よし完成したか! 魔物の王よ貴様もここまでだ!」


 今日の冒険者はいつもの冒険者たちと違い、友好度がとても低いようだ。

 殺意に溢れており、王様を本気で殺そうとしている。


 え、王様がもし倒されても復活するよね?

 ダンジョンだからボスはまた復活するんだよね?

 でもそれが王様の記憶を保持していなかったら――。


「呼ばれて飛び出ました!」

「じいちゃんおやつ!」


 魔法陣から飛び出したのはやたら元気のいい小さな豹と小さなダークエルフだった。

 しかも豹はビカビカ光って俺の肌を突き刺してくる、やべぇよ、存在しているだけでスケルトン人生終わりそうなぐらい神聖な光放ってる。


「よし成功した!」

「魔物を滅ぼせ!」

「じーちゃん早く、早く」

「今日のおやつなんですか?」


 冒険者が勝利を確信して命令をするが、一人と一匹は華麗にスルー、王様のマントを左右から引っ張っておやつをねだっている。

 ……お知り合い、ですか?


「……それが、おやつ作りの途中で乱入されて、材料がひっくり返されてしまいました」

「がーーん」

「食べ物粗末にするのは悪! 性根を叩き直してあげます!」


 豹が全身に黄金の炎をまとい冒険者に向き直った。

 冒険者に召喚されたのに、なんで冒険者を攻撃しようとしてるんだあの豹。


 アチ、アチチチ、見てるだけでスケルトン焼けちゃう!!

 避難したいけど全身が震えて足が動かない、誰か助けて!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ