人相の悪い三人組 1-1
案外思い通りのおバカな感じでとても嬉しい。
ラノベとAIって相性いいのでしょうか。
俺たち悪い三人組!
同じ村で生まれ育って、口減らしに家を追い出されたから冒険者になったぜ!
俺ら頭が悪いからそれぐらいしか仕事なかったんだ!
「だが金がない!」
「飲む金もない!」
「宿代もない!」
今日は野宿かと裏路地で嘆いていたら、一人の兄ちゃんがふらっと現れた。
これだ!
「なあ兄ちゃん。俺たちいま金に困っているんだけど助けてくれない?」
「……え? いや俺もお金ないけど」
「ダメじゃん!?」
思わず声を荒げてしまった。
だって兄ちゃんもお金持ってなかったんだもんよー。
そりゃあ怒鳴りたくもなるさ。
「どうした」
「この兄ちゃんもお金ないって」
「大変だ! 落としたのか?」
「もしやスられたか?」
「ううん、落としていないしスられてもいない。ただ……」
「ただ?」
「俺は金を持っているように見えるのかなぁと思ってね」
改めて見ても兄ちゃん金持ちっぽい格好をしているぞ。
全身黒ずくめだけど高そうな服着ているし、腰には剣を差しているし、首からはメダルみたいなものをぶら下げているし……。
こいつ何者なんだ?
「おいお前ら、コイツは誰だと思う?」
「知らん!」
「見たことあるような気もするけど思い出せん!」
よく考えたら俺たち三人揃ってバカだったわ。
そんな俺たちに救いの手を差し伸べてくれる人なんて滅多にいるわけがないじゃないか。
だからいつも通り自分たちだけで何とかしよう。
「まあいいか。とにかく頼んでみようぜ」
「そうだな!」
「じゃあ兄ちゃんよろしく頼むわ!」
「……えぇ~」
なんか嫌そうな雰囲気出しているけれど気にしない。
俺らは貧乏人だからな。
使えるものはなんでも使っていくスタイルなのだ。
というわけでお願いします。
「えーっと……まずどこに行くつもりなのか教えてもらえますかね?」
「ギルド」
「冒険者ギルド」
「右に同じく」
「それはまたなんとも……」
呆れられている気がするが事実なので仕方がない。
むしろここで嘘をつく方が失礼というものだ。
「実は俺も冒険者でして」
「マジで!?」
「すっげぇ!!」
「強そぉー!!!」
「……ありがとうございます」
お世辞でも褒められるのは嬉しいらしい。
ちょっと照れた様子を見せながら兄ちゃんが頭を掻いている。