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夢の異世界転生 1-1

 やった、俺はやったんだ!

 夢の異世界転生を!!


 俺は異世界で新たな人生を歩む事になった。


 ところで俺はなんの種族だろうか。

 王道で言えばスライムとかゴブリンだったんだが……腕を上げると骨だった。

 足を上げてみた。

 骨だった。

 顔を触ってみた。

 骨ですね。

 どうやってもスケルトンです、どうもありがとうございました。


 せめて人間から始めようよ……そこからなんやかんやあって、冒険の末に命を散らして、スケルトンとして蘇った。とかならまだ納得がいく。

 スケルトンスタートってなに?

 しかもスケルトンって下位の魔物じゃん。

 ここから進化して頂点に至れっていうやつだろうか?


 まあ、それでもいいか。

 俺には前世の記憶があるし、その知識は無駄にはならないだろう。

 それに何より、今の俺は夢の異世界転生にテンションが上がりまくっているのだ。

 スケルトンになって初めての夜だが、この興奮のまま寝る事ができるのか? いや、無理だね。スケルトン眠らない!


「ふぅ……」


 一息ついて落ち着こう。

 まずは自分の状態を確認してみようかな。

 胸の中心に手を当ててみると、心臓の代わりに核のような物があった。

 これがおそらく俺の命なんだろう。

 これを壊されると死ぬっぽい。

 これは気をつけないとな……。

 次に体を見てみる。

 骨だけだと思っていたけど、よく見ると関節部分だけ何かに覆われているような感じになっている。

 多分これ防具的なアレだと思うんだけど、ちゃんと動くのかな? 手を動かしたり足を曲げたりしているとパキパキっと音がした。

 関節部分が壊れた音ではないと思う。


「おお!」


 動いた! 動かせたぞ! 感動ものだ! 次は立ってみたい!

 スケルトン人生初の起立だからね、バランスがうまく取れない。ちょっとコケそうになった。

 でもなんとか立てた。

 素晴らしい。


 そして周りを見渡して思ったのだが、ここは洞窟の中らしい。

 天井に穴があって外が見える。

 星空が見えたので今は夜のようだ。

 ずっと闇に包まれていたら怖いもんな。良かった。……ん?待てよ? 確かゲームだと暗い場所にいると敵モンスターが出てくるんじゃなかったっけ? ヤバくない!? 早速ピンチじゃないですかー!……と思ったけど、なんか静かだし何も出てこない。


 おかしいなぁと思ってたら急に後ろの方からカチャカチャという音が聞こえてきた。……なんだ? 恐る恐る振り返るとそこには骸骨がいた。

 えぇ……マジすか……。

 骸骨はこちらを見るなり襲いかかってくる。なんて事はなく、片手をあげて陽気な感じで近づいてきて、カタカタ骨を鳴らしながら洞窟の奥を指している。

 あっちへ行こうぜ。と言っている気がするのでついていこう。

 ……そういえば言葉は通じるのだろうか? スケルトン同士なら喋れるとかそういうのないのか?


 そんな事を考えているうちに骸骨はどんどん先に行ってしまっている。

 とりあえず追いかけるか。


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