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ゴブリン転生 1-6


 ある日のこと。

 いつものように畑で作業をしていると、人型をした植物の魔物が現れた。


「こんにちは」

「誰じゃ?」

「トレントから進化して亜人一歩手前になった者です」


 全身に葉っぱをつけているが、顔と手足が見える。

 人に近いけど人ではない、うん、一歩手前って感じだね。


「私はこの区画の管理を任されています。新しい苗が入荷するので、土地を開けにきました」


 どうやらネヴォラの嫌いなものがまた一つ発覚して、品種改良をするために苗を手に入れたようだ。

 そう言えばこの菜園の成り立ちが、ネヴォラの弁当を一から作ろうと思ったから。だもんな。どんだけ過保護なんだよ。

 家庭菜園やろうとして土地を申請したら領地貰ったって、あのゴブリン、どんな権力者と知り合いなんだろう。


「あー、分かった」

「失礼します」


 俺らがトレントさんに場所を譲ると、人間の足の形をしていたそれが崩れて木の根っこになり、地面に潜っていった。

 葉が絡まっていたのが解かれ、畝ごと植物が移動したりと忙しく地面が動く。


 あっという間にスペースが作られ、スライムが新しい苗を植えて去っていった。

 進化したトレントすげぇ。


「さて、仕事に戻るぞ」

「おう」


 俺らも自分の持ち場に戻った。


「おつかれー」

「おう来たか!」


 今日はリザードマンとコボルトと約束をしていたので皆で食堂にきた。

 彼らは先に来ており、テーブルには色とりどりの料理が並んでいる。


「おぉ!今日は豪華だな!」

「冒険者が唐辛子を納品してくれたんだよ!ここじゃ作ってないから貴重なんだよなぁ」


 作っていない理由はネヴォラがお子様で、辛い系がまだ食べれないからだそうだ。

 ネヴォラが大人になったら作れるのかと思いきや、成人しない呪いを受けているので生涯未成年みたいです。


 だから、唐辛子みたいな辛い系を作りたい場合は、俺らの元居た菜園で作るしかない。


「そういえば最近、畑の方はどうだ?」

「あぁ順調だよ。ミノタウロスが毎日見回りに来てくれるし、俺たちも頑張って働いてる」

「そうかそうか、良かったなぁ」

「草抜きをしなくていいのは楽だよな」

「角兎やヤギが食ってくれいるんだっけ」

「あいつらは天敵に襲われなくて安心、俺らは腰が痛くなる恐怖の草抜きをしなくて良い、いい関係だよ」

「ははは、違いねぇ」

「今日はおごりだ、じゃんじゃん飲んでくれよ!」

「「ジュースだけどな!」」


 ネヴォラが間違って飲んだら大変だからな、この食堂に酒はない。

 作ってはいるらしいけど、それは売り物だからなぁ。


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